がれきなどの障害物があっても頭を上げながら乗り越えることができる新しいタイプのヘビ型ロボットを開発した、と東北大学と八戸工業高等専門学校などの研究グループと科学技術振興機構(JST)が12日発表した。カメラを搭載した頭の部分から空気を下向き後方に噴射して頭を持ち上げる。研究グループは実用化に向け研究を続けるが、自然災害により倒壊した建物の内部を調べる際などに威力を発揮すると期待している。

写真1 東北大学など研究グループが開発したヘビ型ロボット(東北大学など研究グループ提供)

図1 ヘビ型ロボットが先端部から空気を噴射して先端部を浮上させる模式図(東北大学など研究グループ提供)

写真2 開発されたヘビ型ロボットが実験用の木片がれき環境を乗り越える様子。移動開始時から43秒間の移動の様子が分かる(東北大学など研究グループ提供)

開発されたヘビ型ロボットは全長約8メートル、直径約5センチの柔軟な素材を使ったホース状で、重さ約3キロ。表面を覆うナイロン製の繊毛を振動モータで細かく振動させて前進する。また、狭い空間環境を観察できるカメラ(能動スコープカメラ)を搭載した頭の部分(先端部)から空気を下向き後方に噴射することにより最大20センチの段差を乗り越えることができる。

研究グループによると、空気を噴射して頭の部分を浮上させて移動するヘビ型ロボットは世界初で、広い範囲を探索、調査することが可能になった、という。

研究は、内閣府総合科学技術・イノベーション会議の革新的研究開発推進プログラム(ImPACT)の一環として進められた。研究グループは、東北大学大学院情報科学研究科の田所諭(たどころ さとし)教授、昆陽雅司(こんよう まさし)准教授、多田隈建二郎(ただくま けんじろう)准教授、安部祐一(あんべ ゆういち)特任助教と八戸工業高等専門学校の圓山重直(まるやま しげなお)校長、国際レスキューシステム研究機構の研究員らで構成された。

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