IBMは6月5日(米国時間)、「IBM News room - 2017-06-05 IBM Research Alliance Builds New Transistor for 5nm Technology - United States」において、IBM Researchとアライアンスパートナーらによって業界初となるナノシートベースの5ナノメータシリコントランジスタの開発に成功したと発表した。この技術は5ナノメータチップの開発を実現するもので、詳細は京都で開催されるVLSI Technology and Circuits Conferenceの2017 Symposiaで発表するとされている。

5ナノメータシリコントランジスタによって開発されたチップを持つIBMのリサーチャーNicolas Loubet氏

今回発表された技術によって開発されるチップは、固定電力において40%のパフォーマンス改善、同一のパフォーマンスベースで75%の電力量の削減が期待できるという。この技術は2018年以降に順次製造の対象になるものと見られており、近い将来に製品に搭載が予定されている。

IBM Researchらは2年前、試験的に7ナノメータベースのチップの開発を実施している。同グループはこの2年間でさらに技術開発を進め、5ナノメータでの開発を実現したことになる。現行製品として流通している10ナノメータベースのチップと比較して集積度の面や性能、消費電力の面で向上が期待できる。具体的にどの製品にこうした技術が使われるのかは現在では明らかではないが、高い性能が要求される分野で採用が進むことが予想される。