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"リモートコントロール"とは、遠隔にあるPCを通信を介して操作することだ。会社などでPCの普及が進む一方、限られた管理者しかすべてのPCを管理することが困難になってくる。そこで、遠隔操作を行い、保守・管理する目的で利用されてきた。最近では、ビジネスに利用される機会も増えている。本稿では、スリーワンシステムズが販売しているNetop Remoto Controlを紹介したい。

同社は、1983年設立のシステム開発や保守運営を行う企業で、1986年にシドニー、1990年にアムステルダム、1999年にシカゴと海外法人を設立しており、日本企業の海外法人設立後のテクニカルサービスも提供している。

Netop Remoto Controlをインストール

Netop Remoto Controlでは、遠隔操作するPCをGuestとし、遠隔操作されるPCをHostと呼び、それぞれに専用のモジュールをインストールする。今回は、GuestにWindows 10が動作するPC、Host用にWindows 7が動作するPCを用意した。まずは、Guest側にモジュールのインストールを行う。

図1 セットアップウィザード

設定項目は、デフォルトで問題ない。

図2 再起動の警告

セットアップは、短時間で終わる。

図3 インストール中

その後、Guestモジュールのセットアップとなるが、Host側のインストールを行っておこう。

図4 Hostでのセットアップウィザード

こちらも特に難しいことはなく、短時間で終了する。

Netopモジュールのセットアップとリモートコントロール

Guest側に移り、Netopモジュールのセットアップを行う。

図5 Netopモジュールのセットアップ

ここでは、通信速度、モデム(使うのであれば)、デフォルトの接続方式など設定する。こちらも、ほとんど設定はデフォルトで問題ないだろう。物理的な遠隔地との遠隔操作の場合、WebConnectなどを使ってもよいだろう(アカウントが必要)。

図6 WebConnect 3/Netop Portal

このあたりは、会社の構成に応じて適切に選択する。これらの設定は、あとで変更も可能なので、とりあえず、設定をしておくことでも問題はない。同様に、Host側でもモジュールのセットアップを行っておこう。

図7 HostでのNetopモジュールのセットアップ

Guestと異なるのは、パスワードの設定くらいだ。

図8 パスワードの設定

設定が完了したら、Netopホストで、Host用のモジュールが起動していることを確認する。

図9 Hostでモジュールの起動を確認

三角のボタンがグレーアウトしていれば起動している。起動していなければ、[アクション]メニューから行う。その他、通信プロファイルも確認しておこう。次いで、Guestに移り、Netop Guestから遠隔操作を行う。今回のPCはLAN内にあるので[Netopネットワーク]タブ、[通信プロファイル]はTCP/IPを選び[参照]ボタンを押す。

図10 Netop Guest

LAN内のリモート可能なPCが一覧表示されるので、遠隔操作するPCを選ぶ。Hostで設定したパスワードを入力する。

図11 パスワードの入力

リモートコントロールで接続すると、Hostのデスクトップが表示される。Netopホストで、[接続中]となっている。実際に遠隔操作をしたイメージは、仮想マシンを動かしているような雰囲気である。LAN経由であるが、ストレスはほとんどなかった。物理的な状況によって差はあるだろうが、Netop Remoto Controlでは、比較的簡単に遠隔操作を行うことができるようになるのだ。

Netop Remoto Controlの導入事例

Netop Remote Controlの導入事例であるが、サポートやヘルプディスクといった事例が多い。全国展開する会社などでは、本社には管理者は常駐しても、地方の支社や支店には手厚い体制を維持することは難しい。そこで、Netop Remoto Controlを使うことで、従業員からの問い合わせに直接、応えることができる。保守やメンテナンス、アップデートなどにも使われる。

日本国内では、鉄道の券売機にも使われているそうだ。Netop Remoto Controlであるが、券売機を制御するPCにインストールされている。もし、券売機に異常や故障などの問題が発生した場合、Netop Remoto Controlから該当の券売機にアクセスし、速やかに問題解決を図る。従来であれば、サービスマンが故障した券売機のある駅まで出向き、修理を行うといった手順が普通である。Netop Remoto Controlを使うことで、このような仕事が不要とはいえなくても、大幅に削減することができる。ワークスタイルの大きな変化といえるだろう。

同様に、半導体製造装置メーカーの製造装置、自動車メーカーのサポートや営業での利用(営業が持つタブレット端末へのリモートアクセスなど)、電気機器メーカー、米国では、アメリカ連邦捜査局FBIでも導入実績があるとのことだ。これは、Netop Remoto Controlのセキュリティの高さや遠隔地であってもレスポンスが良いといった点が評価されているそうだ。スリーワンシステムズ社では、無料の評価版を提供している。興味があれば、ぜひ試していただきたい。