尿酸値は正常範囲内でも高め、あるいは低めだと腎臓に悪影響を与える可能性がある、と大阪市立大学の研究グループがこのほど、米専門誌に発表した。
発表したのは大阪市立大学医学研究科・代謝内分泌病態内科学・腎臓病態内科学の上殿英記(うえどの ひでき)大学院生、津田昌宏(つだ あきひろ)講師、石村栄治(いしむら えいじ)特任教授らの研究グループ。同グループは腎臓の提供者(ドナー)候補者で、腎機能が正常で尿酸値が正常範囲内にある男性19人、女性29人の計48人の検査データを分析した。
尿酸値は学会指針などにより、通常血液成分の血清100ミリリットル当たり7ミリグラム以上だと高尿酸血症、2ミリグラム以下だと低尿酸血症とされる。しかし、検査データ分析の結果、尿酸値が正常範囲内であっても3.5ミリグラム未満、あるいは6ミリグラム以上だと、腎臓につながる細い動脈内の血管抵抗(輸入細動脈血管抵抗)が高まったり、糸球体ろ過率が低下したりするケースがあって腎臓に悪影響を与える可能性があることが分かったという。
尿酸値は高いと激痛を伴う痛風を引き起こしやすいほか、高血圧症や糖尿病、動脈硬化症などの生活習慣病や腎機能障害と関連するとされている。
研究グループによると、高尿酸血症の人は約500万人。今回の研究成果について同グループは「尿酸値を適正に管理することの重要性を意識するきっかけになることを期待する」としている。
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