ブレインパッドは、総合建設コンサルタント会社の八千代エンジニヤリングに、人工知能のビジネス活用を支援する「機械学習/ディープラーニング活用サービス」を導入し、同社が実施する河川の護岸コンクリートの劣化検知を効率化する支援を行ったことを発表した。
河川の周りには、洪水などの災害対策として重要な役割を担う護岸コンクリートが設置されているが、設置された時期や地域などによって整備形式が異なり、点検・改修には熟練された技術が必要となる。
こうした護岸コンクリートの維持管理に係る調査・検討業務を請け負っている八千代エンジニヤリングは、人間による目視主体で劣化状況を把握しているが、長い河川区間を複数の人間が作業するために手間やコストが膨大であることと、劣化状況の判断基準が人によってさまざまであることが問題となっていた。それを解決すべく、ブレインパッドの支援のもと、画像処理によるコンクリートの劣化検知およびその自動化を考えたという。
ブレインパッドは今回、護岸コンクリートの劣化検知において、撮影した画像から劣化の有無を自動判断するアルゴリズムを開発し、その実用性を検証した。その結果、現状の人手による検査と遜色ない精度で劣化を検知できることが判明したという。このアルゴリズムは、Google によってオープンソース化された深層学習フレームワーク「TensorFlow」を使って実装したということだ。
今後は、劣化検知の判定プロセスのシステム化や、同社が手がける河川の護岸コンクリート以外の社会インフラ分野への展開も検討していく予定だとしている。
なお、6月14日~15日に東京都港区の「ザ・プリンスパークタワー東京」にて開催される「Google Cloud Next in Tokyo '17」において、今回導入した「機械学習/ディープラーニング活用サービス」の内容および最新事例が紹介される予定となっている。参加希望者は、同イベントのWebサイトにて申し込む。