TISとアカウンティング・サース・ジャパン(ASJ)は6月5日、税理士のためのクラウド税務・会計・給与システム「A-SaaS(エーサース)」を活用した新たな金融サービスの開発を検討し、共同で推進していくことを目指し、業務提携に至ったことを発表した。
これによると、銀行や信用金庫などの金融機関では、中小企業数の減少などを背景に中小企業向け融資の貸出金の伸び悩みや、競争激化による貸出金利の低下といった課題を抱えており、中小企業向け融資業務をさらに効率化したいというニーズがある。
一方、融資を希望する中小企業には、年次単位の業歴や事業規模で融資判断がされ、資金が必要な適切なタイミングで融資を受けられないという課題があるという。
そこで、TISとアカウンティング・サース・ジャパンは、金融機関から中小企業への融資業務の効率化や判断の迅速化を支援するため、新サービスを共同開発に合意した。
今回の業務提携では、A-SaaSに保管されている財務会計データを、利用者の許諾のもと金融機関を中心に導入実績を持つTISの与信管理ソリューション「SCORE LINK」に連携して活用することで、金融機関に対し融資判断情報を提供する新サービスの開発を両社で推進していく。
これにより、A-SaaSの利用者は、金融機関に対する融資申し込みの手続を簡素化・迅速化を実現。融資判断を行う金融機関は、これまで融資先の決算書を審査システムに1件ずつ登録していた手間を削減することができると同時に、取り込まれた財務データや財務分析データを融資業務の最前線となる営業店で早期に利用することが可能となる。
さらに両社は、FinTech領域での共同の研究開発を推進していきたい考えだ。