デルとEMCジャパンは5月31日、新しい統合データ保護アプライアンス「Dell EMC Integrated Data Protection Appliance(IDPA)」と、データセンター向けスイッチ「S5100-ONシリーズ」などの新製品を発表した。

IDPAは、データ保護の目的のために事前統合済みのターンキーアプライアンスとして、保護ストレージ、ソフトウェア、検索、分析機能を1つのアプライアンスに統合して提供し、アプリケーションとプラットフォーム全体を通じたデータ保護を実現するほか、ネイティブクラウドティアリングによってクラウドへの長期保管データの階層化をサポート。オンプレミス環境とクラウド環境の両方を通じて重複排除機能を提供(55:1の平均重複排除率)するとしている。

「Dell EMC Integrated Data Protection Appliance」の概要

また、主要な基幹業務アプリケーションおよびプラットフォームとの統合が可能なため、バックアップのパフォーマンスが向上するだけでなく、MongoDBやHadoop、MySQLを含め、アプリケーション管理者をオーナーとしたセルフサービス型データ保護環境を提供することに加え、通常の運用を行うための単一ユーザー インタフェースによるシンプルな環境を提供。ユーザーは、UIでデータ保護ジョブのスケジューリングと管理、クラウドへのデータ長期保管ポリシーや、データ保護SLAへのコンプライアンスを満たすための設定を行うことができるという。

新製品は、利用可能容量が34TBのエントリレベルのモデルから1PBのハイエンドモデルまで、4つのモデル(DP5300、DP5800、DP8300、DP8800)で提供し、最小構成価格(DP5300 34TBストレージ構成)は税別で1860万円~、夏以降に提供開始を予定している。

各モデルの概要

データセンター向けとオフィス向けスイッチを発売

一方、オープンネットワーキングのポートフォリオを拡張についてはデータセンター向けスイッチ「S5100-ONシリーズ」「S4100-ONシリーズ」と、オフィス向けスイッチ「N1100-ONシリーズ」をラインアップに加えた。各製品の価格は未定で、いずれも8~10月に提供開始を予定している。

S5100-ONシリーズは、インラックコネクティビティで10GbEスイッチの2倍以上のスループットを提供。25GbEをネイティブにサポートしている第14世代「PowerEdge」サーバに適しているほか、100GbEファブリックコネクティビティ用に設計されている100GbEアップリンクがラック間のネットワークトラフィック(East-Westトラフィック)を促進するという。

「Dell EMC Networking S5100-ONシリーズ S5148F-ON」

S4100-ONシリーズは、多機能型のデータセンター向けオープンネットワーキングToRスイッチ。高密度の10GbEファイバー/カッパーネットワークや8/16/32Gbpsファイバーチャネル(FC)ネットワークをサポートし、サーバとラック内の集約されたLAN(ローカルエリアネットワーク)ならびにSAN(ストレージエリアネットワーク)の通信に最適化されており、100GbEアップリンクポートを搭載。

S4100-ONシリーズの1つである「S4148U」は、同社のストレージソリューションを接続する、イーサネットおよびFCトラフィックの両方を対象とした統合型スイッチ。LAN/SAN運用環境の統合を求めるユーザー向けに32Gb FCをサポートし、制約の多かったFCの接続性を高め、同製品ならではのユニークな設計により、ToRにイーサネットとFCスイッチングを同時に利用可能なスイッチハードウェアとして導入することができ、FCオーバーイーサネット(FCoE)を用いることでLAN/SANを同一環境として統合することも可能としている。

S5100-ONシリーズとS4100-ONシリーズは、Dell EMCのネットワーキングオペレーティングシステムの新フラグシップ製品「OS10 Enterprise Edition」とともに標準出荷される最初のスイッチ製品だという。

OS10 Enterprise Editionは、Linux FoundationおよびOpen Compute Projectのオープンソーステクノロジーを基盤とし、モジュール形式のプログラミング可能な次世代ネットワークオペレーティングシステム。従来のネットワーキング環境とDevOps環境との両方をサポートできるように設計されている。

N1100-ONシリーズは、ファンレススイッチ(ハーフワイドオプション/フルワイドオプション)、Power over Ethernet(POE/POE+)および非POEバージョン、10/100/1000Mbpsから1/10GbEまでを網羅したポート構成を提供。さらに、クラウドベースの次世代管理ソリューションで、有線/無線両方のエンドユーザーアクセスを簡素化し、パブリック/プライベートクラウドにエンタープライズレベルの管理が可能なAerohiveのHiveManager NGと組み合わせて使用できるように設計されている。

各製品の概要