オムロンと理化学研究所は6月1日、「産業連携深化に関する協力協定書」を締結し、「理研-オムロン連携協力委員会」を設置するとともに、理研脳科学総合研究センター(理研BSI)内に、"人と機械が共に社会の中で進化するための脳科学とAIの融合"について研究する「理研BSI-オムロン連携センター」(以下、RBOmC)を、埼玉県和光市に設立したことを発表した。

今回の両社の締結によって設置された「理研-オムロン連携協力委員会」とは、組織対組織の包括的な連携を進め、よりよい社会づくりに貢献する研究を検討することを目的に作られたもの。

また、RBOmCでの研究では、理研BSIが培ってきた「脳科学」や「脳科学からアプローチしたAI等」に関する知見をオムロンのコア技術「センシング&コントロール+Think」と掛け合わせることで、「脳の活動」と人の体調や認知といった「身体の状態」との関係、および「脳の活動」と人の感情や意志といった「心の状態」との関係を解明し、脳科学とAIを融合した次世代技術の創出と更なる進展を目指し、その成果を社会的課題の解決につなげていくとしている。

なお、目指す次世代技術の創出については、機械が個々人の状態や特性まで理解する技術 / 個々人の状態や特性に合わせて機械が人にフィードバックする技術 / 個々人の状態や特性に合わせて機械が機械を最適に制御する技術だという。

また、期待される研究成果の応用例として、経験の少ない作業者の技能習熟期間の短縮による、熟練技術者の不足や生産性向上への応用、認知症やうつ病の早期発見、治療への応用、眠気の抑制などドライバー起因による交通事故の削減や自動運転への応用を挙げている。

なお、RBOmCの設置期間は、2017年6月1日~2022年3月31日。参画者はオムロン7名、理研18名(兼務での参加も含む)。