NECは、千葉市図書館においてマイナンバーカードを利用して図書の貸出を可能とする新たな図書館システムを構築し、6月1日から運用を開始すると発表した。

これまでマイナンバーカードを図書館カードとして利用する場合、マイナンバーカードのICチップに搭載された公的個人認証サービス(JPKI)の利用者証明用電子証明書を用いる「JPKI方式」か、ICチップ内の空き領域に追加搭載した利用者識別用アプリケーションを用いる「カードアプリ方式」が採用されていたが、今回のシステムでは、図書の貸出にマイナンバーカードを利用するにあたり、マイナンバーカードの暗証番号の入力や、外部ネットワークとの接続、マイナンバーカードへの利用者識別用アプリケーションの追加搭載が不要なほか、地方公共団体の条例改正も不要だという。

新システムは、図書館の利用者登録時にマイナンバーカード内の利用者証明用電子証明書の発行番号(シリアル番号)のみを抜き出し、図書館の利用者番号と紐付けて登録するID連携方式の利用者認証を採用した。これにより、マイナンバーカードのみで利用者認証ができるため、図書館の貸出窓口に設置したICカード読み取り機にマイナンバーカードを利用者自身がかざすことで、図書を借りることが可能となるという。

NECによれば、ID連携方式の利用者認証は全国初だという。

なお、このシステムにおいて、券面やICチップ内のマイナンバーや氏名、住所などの個人情報は一切利用しないという。