郵政民営化や、銀行・郵便・保険それぞれ事業会社が誕生するなど、変革し続けている日本郵政グループ。そのなかから「2017 Japan IT Week春」に出展していた日本郵便ブースを目にした筆者は、もはや郵便局でお馴染みの郵便配達から想起される「配送・物流」という枠を超えた“総合ビジネスパートナー企業”なのだと感じさせられた。

今では滅多にお目にかかれない円筒型のポストがアイコンとして設置されていた日本郵便のブース

ブース内で来場者の注目を集めていたのが、ロッカーを用いた荷物受け取りサービス「はこぽす」だ。昨今、何かと話題の配送サービス事業者が抱える再配達問題を解消するサービスのひとつとして期待されている。郵便局やコンビニエンスストア、JR・私鉄の駅など、設置箇所は増えてきており、また、「楽天市場」を筆頭に「はこぽす」を利用して商品を受け取れるサービスを提供するインターネット通販事業者も増えており、今後もっと身近なものへなっていくのではないだろうか。

既に京王井の頭線渋谷駅やパルコ名古屋店などに設置されている「はこぽす」。通勤の途中でECサイトにて購入した商品を受け取り。そんなスマートな物流を実現するソリューションだ

こちらが「はこぽす」のコンソールパネル。タッチパネル液晶で直感的に操作が行えるほか、決済に関しても飲料の自動販売機と変わらないため老若男女問わず利用できる優しさは高評価

さて、筆者が“総合ビジネスパートナー企業”なのだと感じさせられた理由は、日本郵便が提供する「ワンストップ物流ソリューション」にある。地域間を繋ぐ大型貨物が約1500車両、郵便局からお客さまのもとへ届ける軽四輪は約29,000車両、“赤と白のツートン”でお馴染みのバイクに至っては約85,000台。お客さまから荷物を受け取る郵便局は全国に約20,000局と、圧倒的な物流基盤を有している日本郵便。その基盤を活かし、ECサイトの構築、販売促進サービス、受発注システム、入荷・出庫の管理、梱包・出荷サービス、そして決済やコールセンター業務までと、現在の日本郵便は非常に幅広い業務領域でのサービスを提供しているのだ。

全国に郵便局の名で配備された物流拠点を有した日本郵便。顧客のビジネスをワンストップでサポートし、お客さまの手元に確実に品物を届けてくれる安心感は高い

例えば、販売支援サービス領域では、“郵便を扱う”という日本郵便の強みを活かしたターゲティングダイレクトメールサービスや全国約20,000箇所存在する郵便局でポスター掲示やチラシの配布を行うことができるようになる。物流ネットワークサービス領域では、日本国内のみならず海外を視野に入れたグローバル展開の支援が充実しているなと感じさせられた。海外から荷物を日本国内へ持ち込む、あるいはその逆においても、通関手続きなどでさまざまな書類や手続きなどが必要になる。そういった難解かつ面倒な作業も代行してくれるとのことだから心強い。通販支援サービスの領域においては、ECサイト構築から購入された商品の梱包・発送を、シームレスに連携して行ってくれる。

ECサイト構築や受注等の通販支援システム領域のサービスがまとめられたパネル。来場者も日本郵便ならではのストロングポイントとどのように通販支援を行ってくれるのか確認している方が多く見受けられた

我々人間の生活に欠かせないロジスティクス業界。日本郵便が持つ物流基盤を、より効率的に、より効果的に活かせるよう、さまざまな業種・サービスを行う企業とコラボレーションを行い、新たな価値を創造していく。「ワンストップ物流ソリューション」で「Win Win」な関係を築きましょう!というメッセージが印象的だった。