EMCジャパンは5月23日、5月8日~11日に米ラスベガスで開催された年次イベント「Dell EMC WORLD 2017」で発表したオールフラッシュ新製品「XtremIO X2」について、米国本社から担当者が来日し、製品の概要や製品テクノロジーの詳細について説明した。
なお、「XtremIO X2」の出荷開始は今年の8月末を予定している。
米Dell EMC XtremIO製品部門 プロダクトマネージャー アイリス カミナー氏は、「XtremIOは、オールフラッシュアレイでNo.1となり、EMCの製品の中で売上で10億ドルの壁を一番早く破った製品だ」と、XtremIOの販売が好調である点をアピール。その要因として、シンプロビジョニング、重複排除、圧縮といったデータの効率性、コピーのデータマネージメント、一貫性のあるパフォーマンスの3つを挙げた。また、今後のVDI市場での販売の伸びにも期待を寄せた。
同氏は「XtremIO X2」の強化ポイントについて、パフォーマンス、ストレージ効率、拡張性、TCOの4つを挙げた。
パフォーマンスについては、前モデル(XtremIO X1)に比べ、レイテンシーを80%削減しているという。これは、新CPU(コア数50%増)やメモリ容量倍増、ファイバーチャネルを8Gb→16Gbに強化といったハードウェアによる効果もあるが、それは全体の20-30%で、大部分はソフトウェア部分での改善が占めるという。
特に大きな効果を発揮したのが、小さなブロックに対するパフォーマンスの改善だという。これは同社が顧客のパフォーマンスを分析した際、小さなブロックのI/Oが多かったことから、I/Oのフローを改善し、小さなブロックに対応したのだという。
またストレージ効率の点では、圧縮アルゴリズムを改善し、25%データをさらに削減することに成功したほか、仮想コピー(XVC)の許容数を2倍に拡大した。
拡張性については、これまでX-Brickあたり25台搭載可能だったSSDドライブの数を、2倍以上の72台に拡大。1.92TBのSSDを利用することで、X-Brickあたり138TBまで拡張できるようになったという。また、1クラスタあたり最大8つのX-Brick搭載できるため、その場合のクラスタあたりの容量は1.1PBまで拡張できるという。
なお、X-BrickはXtremIOアレイの基礎となるビルディング ブロックで、XtremIO X1では、ファーストストレージコントローラー(1U)、ディスク アレイ エンクロージャ(DAE、2U)、セカンドストレージコントローラー(1U)、バッテリバックアップユニット(1U)の5Uで構成されていたが、「XtremIO X2」ではバッテリバックアップユニットがなくなり、4U構成となった。
XtremIO X1のX-Brick |
また、これまでは、X-Brickを搭載できる数はクラスターあたり、1・2・4・6・8のいずれかであったが、XtremIO X2からは1~8のいずれも可能になった。
そしてTCOについては、これら機能拡張により、GBあたりの単価がXtremIO X1の1/3になったという。
EMCジャパン プライマリーストレージ事業本部 アドバイザリー システム エンジニア 市川基夫氏は、「世の中にオールフラッシュストレージが登場して10年になり、いろいろオールフラッシュストレージがある。XtremIOはオールフィラッシュでは後発で、登場してから3年半しか経過していないが、爆発的な売り上げをあげている。それは、一貫性のある性能を発揮できる点、スケールアウト性能や容量効率がよく、スナップショットなどが好評なためだ。すでにいろんなパートナーが販売しているが、2カ月前からはOEMパートナーとして、新たに富士通が加わった。富士通さん市場や強いサポート力は、XtremIOにとってさらに追い風になる」と述べた。
なお、富士通のOEM提供は、「XtremIO X1」についてで、「XtremIO X2」については現在のことろ未定だという。