生活者の転入や出生などのライフイベントの際に必要な自治体への煩雑な申請手続きを正確・効率的に行うことを支援するシステムのプロトタイプを開発したと発表した。今秋に販売開始を予定している。
生活者は、転入や出生などのライフイベントが生じた際、自治体に届出や申請を行う必要があるが、ライフイベントごとに自分に必要な届出や申請書の様式を正しく選び記入するのは、煩雑で手間を要することが課題となっているという。また、自治体職員においても正しい様式に記入されているか、記入内容に漏れやミスがないかの確認作業に時間がかかっており、業務効率化が求められている。
加えて、総務省が2016度に開始した「業務改革モデルプロジェクト」でも、住民サービスに直結する窓口業務について、総合窓口の導入やICTの活用による庶務業務の集約化・窓口業務のアウトソーシングなどでの業務改革が推進されている。
同社は、2017年3月に市民・職員双方における手続き負荷を軽減するためマイナンバーカードを活用し、申請書への一括入力が可能な申請書作成支援システムを開発。今回、新たな取組みとして立教大学と共同研究で、中核市規模の自治体を例に現状の届出・申請手続きフローの分析や窓口職員への調査を行い、ライフイベントの際に必要な複数の手続きを効率化させるナビゲーションシステムを開発した。
新システムは、7種のライフイベント(出生・転入・転出・転居・結婚・離婚・死亡)の際、自治体へ手続きが必要となる届出・申請に対応している。
申請者は質問に回答することで自分に必要な様式が自動で選定されるため、漏れなく効率的に様式の選択が行ることに加え、複数の様式で重複する記入項目は一括入力で各様式に反映されるため、記入漏れ・ミスの防止につながるほか、申請者の記入負荷や受付窓口職員の内容確認業務の負荷が軽減されるという。
また、自治体職員や申請者が取り扱いを容易にするため、各自治体の申請書様式を再現したPDFフォームで提供。さらに、マイナンバーカードを活用した手続きも可能とし、申請者のマイナンバーカードをICカードリーダにかざし、カード券面の生年月日・有効期限・セキュリティコードを入力すると、カードのICチップに記録されている基本4情報(氏名・住所・性別・生年月日)が各様式に一括入力される。
そのほか、自治体窓口に置かれているパソコンやタブレットでの利用のほか、自治体のホームページからPDFフォームをダウンロードする形態でも導入もできまるという。今後、同社は各自治体に新システムのヒアリングを行った上で販売を開始する方針だ。