ライムライト・ネットワークス・ジャパンは5月17日、都内で記者説明会を開催し、グローバルで増加傾向にあるオンライントラフィックやコンテンツ配信に対応するため、CDN(コンテンツ配信ネットワーク)プラットフォーム「Limelight Orchestrate Platform」の機能強化を発表した。会見には米国本社からCEOのロバート・A・レント氏が出席した。
同プラットフォームはグローバルなプライベートバックボーンネットワーク上に構築され、視聴者が求める速度、容量、可用性を備えており、コンテンツ配信、ウェブアクセラレーション、同社の分散型のオブジェクトベースのストレージシステムであるOrigin Storage、ビデオ管理、クラウドセキュリティ、サポートなどのサービスが統合されている。
今回、同プラットフォームのコアソフトウェアであるEdgePrismの改善として、接続デバイスや接続ネットワークの種類、速度を問わず最適化を行い、高速通信を可能としている。また、IPv6とHTTP/2のサポート規模を拡張し、データの状態に合わせて自動的にコンテンツをストレージにアップロードできるIntelligent Inges機能を強化し、そのほかのストレージからOrigin Storageへの移行を容易に実現できるという。加えて、セルフサービスAPIを影響し、変化する配信設定の変更などのビジネス要件にタイムリーな対応を可能としている。
レント氏は「われわれではテクノロジーに対する投資を強化しており、2017年上半期は今回も含め、主要ソフトウェアへの投資を3回行っており、これらのソフトウェアは商用環境に投入されている。マーケットの状況としては、インターネットラフィックに占めるビデオの割り合いが増加傾向にあり、クオリティーの担保は重要なものとなるため、ブロードキャスト(放送)と同じレベルのクオリティを目指す。新しいLimelight Orchestrate Platformは、コンテンツ配信のパフォーマンスを向上し、セッションにおけるリバッファリングを25%削減している」と説明した。
日本国内での事業戦略
ライムライト・ネットワークス・ジャパン 日本法人代表の田所隆幸氏は、日本におけるニーズについて「より早いWebサイトのレスポンスやビデオストリーミングのバッファリング低減、ライブストリーミングの需要増加、新しいプロトコル対応といったマルチデバイス環境下におけるユーザー体験の向上やセキュリティ対策への関心の高まり、リアルタイムでのデータ収集と分析などが挙げられる」との認識を示した。
そして、同氏は「エンドユーザー体験の向上のためのインフラ投資を継続し、多様化するニーズ・課題への対応など顧客との環境を従来以上に強化する。また、セキュリティ専任エンジニアも強化するとともに、顧客・固有の要望に対応可能なサービスを提供していくため、プロアクティブな提案を行い、パートナーシップ・ビジネスを開始する」と、日本における事業戦略について言及した。
なお、同社はサービスの導入を検討している顧客に対し、オンラインビデオのリバッファリングレートを10%以上削減することを保証するプロモーションを発表。10%以上の削減ができない場合は返金するという。