先週の5月10日から13日まで開催されたJapan IT WEEK 春 2017。今年も数多くの最先端技術や実践的な製品、サービスが展示されていた。クラウド コンピューティング EXPO会場には、南国ハワイをイメージした虹色のアーチが目をひいた。「ウイングアーク1st」のブースだ。

「ウイングアーク1st」ブース全景、南国をイメージしたデザインと中央の虹色のアーチが目をひいた

帳票基盤ソリューションSVFやBIソリューションをはじめ業界向け各種ソリューションを展開する同社。導入事例ページには、製品の導入事例が数多く並んでいる。帳票システムの設計や開発を行う企業たちは、昔からの企業文化が持つ良い点や改善の余地をどこよりも知るのではないだろうかと思う。そんな同社のブースは情熱南国のハワイだった。

ブースのコンパニオンやセミナーブースの司会者も南国のイメージにならったアロハシャツを着ている。当然にその雰囲気は盛り上がっていた。今回、このデザインイメージについて、担当者の方は長く帳票システムの開発を行ってきたので、オンプレミスの事業のイメージが強く、今回IoTやクラウドサービスでの認知度が向上させるため、南国ハワイの解放感、情熱的なイメージを派手目に前面に出したことを教えてくれた。

熱い南国のハワイのイメージでクラウドの部門の認知度向上

今回、ウイングアーク1st一押しの展示品は、会計情報など様々な情報を可視化するBIダッシュボード「MotionBoard Cloud」と同サービスに追加されたIoT関連機能だ。同社が得意とする帳票基盤ソリューションをクラウド上で実現する「SVF Cloud」、企業活動として収集された販売情報、顧客情報、また、それ以外にもSalesforceのデータをオフラインでも自在に参照・追加・編集を行えるサービス「VyNDEX」が展示されていた。

「MotionBoard Cloud」展示ブース。「MotionBoard Cloud」に追加されたIoT関連機能を紹介していた

「MotionBoard Cloud」は、同社のBIサービス「MotionBoard」をクラウドで提供するサービスだ。サービスは、企業が扱う顧客データ、営業データ、会計データ、など収集した複数の企業情報を分析し、可視化してダッシュボードに表示する。ブースでは、近日公開予定の最新バージョンが展示されており。IoTセンサーや業務で収集する様々なデータを監視しリアルタイムに通知する「リアルタイムアラート」機能、や従来の地図に加えて新たにESRI(ArcGIS)、Mapboxの地図を標準で搭載するなど多数の新機能が搭載されていた。IoTデータを取り込んでいくという今回の展示品の中でも同社一押しのサービスだ。

「MotionBoard Cloud」のリアルタイムアラート」機能のデモ

ウイングアーク1stでは、「人口統計Basic2010」、「年収階級別世帯推計」など公開されている世帯人口、移動人口、ライフスタイル、地理・気象、医療・介護、インバウンドなどの第三者データをBIで活用できるように加工したデータを提供するサービス「3rd Party Data Gallery」を行っている。ブースでは、同サービスのデータと「MotionBoard Cloud」を活用したリテール業界向け情報活用ソリューション「SmartRetailing LocationViewer」も展示されていた。

「SmartRetailing LocationViewer」のデモ。「モバイル空間統計」のデータと地図データを組み合わせて、商圏エリアポテンシャルなど分析した情報をダッシュボードに表示する

忘れてはならないのが、同社の看板製品である帳票サービスをクラウドで提供する「SVF Cloud」だ。同社が長年培ってきた帳票を基盤とするソリューションをクラウド上で活用できるだけでなく、Salesforceと連携する「SVF Cloud for Salesforce」やサイボウズの「kintone」を利用できる「SVF Cloud for kintone」など他社のサービスと連携できる。ブースでは、「SVF Cloud」で作成した帳票をその場で印刷してくれるデモを行っており、"緻密な日本の帳票"が各種サービスと連携し円滑にデジタルや紙へと打ち出されていく様子を見られた。その重要性や複雑な承認フローにチェックの厳しさが付いて回る"帳票"。しかし、この流れが大きく改善されると働きやすいであろうと改めて思った。

ブースでは、担当者が「SVF Cloud」で作成した帳票をその場で印刷してれくるデモを行っている