旭化成は17日、電気自動車(EV)メーカーのGLMと共同で、コンセプトカー「AKXY(アクシー)」を開発したことを発表した。
「AKXY」は、スポーツカーとSUVを融合(クロス)したEVのコンセプトカー。GLMの量産EVプラットフォームを活用しているため、コンセプトカーでありながら走行可能となっている。未来的なデザインを志向した同車両では、スポーツカーとSUVの特徴を併せ持ちながらも、クーペスタイルの丸みを帯びたルーフラインを採用。ドアはガルウイング方式で、室内は3人乗りとなる。
車両名の「AKXY」は、「Asahi Kasei ×(かける)You(顧客)」から。旭化成の理念を車両開発に向けブレイクダウンし、「安全」「快適」「環境」といった3つの柱をもとに、両社が共同でコンセプトメーク、デザインをGLMのカーデザイナー・石丸竜平氏が手がけたほか、トミーカイラZZの開発チームが車体設計およびパワートレイン設計を担当した。
「車というマシンが呼吸するイメージ」でデザインされた車体。カーデザイナー・石丸竜平氏によれば、車両前方のグリル付近、パンチングメタルのような穴の空いたデザインはインテリアへと繋がり、車体が呼吸するというコンセプトを表したものとなっているという |
同車両は旭化成のマテリアル事業におけるショーケースとも言えるものとなっており、システムと部材計27品目を搭載。ボディには鉄・アルミニウムの代替となりうる高機能樹脂を用いており、快適性に優れるシート用の人工皮革、エコタイヤ向け合成ゴムなども使用している。人の顔をカメラで撮影しつつ心拍数を計測する非接触型の脈波検出技術(非接触バイタルセンシングシステム)や、室内の二酸化炭素の濃度を感知し安全運転をサポートする技術(CO2センサー)を車体に組み込んでいる。