5月10日から13日にわたり開催された日本最大級の見本市Japan IT WEEK 春 2017。今年も数多くの最先端技術が披露された。ビッグデータ活用展では自社開発した機械学習/深層学習のフレームワーク「∞ReNom(リノーム)」を展示していたグリッド。インフラ、製造、ビッグデータ、エネルギー分野でのテクノロジーの変化についてのプレゼンテーションが行われていた。
ブースでは、中央のモニターディスプレイでは、定時で同社社員による「ReNom」のセミナーが行われた。セミナーでは、今回のブースのテーマである"GRIDが人工知能で創造する未来の可能性"について、人工知能の説明や、それがもたらす様々な社会変化についての解説が行われた。中央のテーブルでは、同社の社員による人工知能の説明が行われており、来客者の多くが耳を傾けていた。
2009年に設立のグリッドは、都市インフラのシステムや太陽光発電やエネルギー天候システムと我々の生活の大きく関わる分野やイノベーティブな分野にデータ分析の力を投入し、システムや製品を作り出している企業だ。"人々の生活を支える「インフラ」にイノベーションを起こし生活「LIFE」をもっと豊かにしていきたい"という企業理念を掲げており、昨年の5月10日に機械学習・深層学習フレームワーク「ReNom」を発表している。今年に入ってからはCTC、伊藤忠商事、丸紅、三井物産や富士通など日本企業との協業や業務提携も相次いで発表されている。 ブースでは、機械学習や深層学習がどのように生活に役立っていくのか?が解説するパネルがところ狭しと展示されていた。「映像・画像解析」、「自然言語解析」など良く耳にするものから「時系列データ解析」や与えられた条件の中での最良の選択肢を抽出する「最適化問題」などを基礎に、AIの応用範囲が広がっていくことがわかる。
交通や鉄道、気象などのインフラ分野、異常・故障検知や寿命予測、などの製造分野。FinTech、医療やサイバーセキュリティの分野などの情報分野、火力発電所の運転最適化やプラントなどのエネルギー分野と情報のデジタル化が可能な分野では、試行錯誤を繰り返しながら最良の解を導き出す。
同社の気象予測システム紹介動画より |
実際に、同社はクリーンエネルギー事業に力を入れており、太陽光を中心とした再生エネルギーを利用したインフラプロダクト、太陽光発電所の開発と運営、発電・消費電力予測などの事業を推進している。同社は、個人・企業・行政レベルでのエネルギー問題への解消に向けて太陽光発電パネル「Tough Module」を開発。パネルのガラスの厚み、特殊なフレームな構造、テンションバーなどに工夫を凝らし、雨、雪、風と過酷な気象条件にも耐えうる設備を目指している。これ以外にも気象データを4Dグラフィック化、気象影響を予測する「気象予想システム」、センサーで収集した膨大な過去の渋滞データを機械学習させ交通渋滞を予測する「交通・渋滞緩和システム」などイノベーションに溢れる製品を開発しており、同社の今後の活躍が期待される。