米Dell Technologiesは、5月8日~11日(現地時間)、米ネバダ州 ラスベガスで「Dell EMC World 2017」を開催したが、3日目の5月10日のゼネラルセッションには、米Dell EMC Storage Division President Jeff Boudreau氏が登壇し、同社のストレージポートフォリオがどう進化するのかを説明した。

米Dell EMC Storage Division President Jeff Boudreau氏

同氏はまず、フラッシュストレージについて語り、「次世代のフラッシュでは、NVMeが重要だ。DELL EMCはNVMeの共同開発者でもある。IDCによれば2017年にはSATAやSASが下降を始め、NVMeが上昇するという。ScaleIOは14G(PowerEdge第14世代)のサーバによって、このNVMeの能力を活用できる。今年はNVMeを搭載するストレージプラットフォームが出てくるほか、2018年はもっと出てくる」と、NVMeの利用を拡大することを明らかにした。

Boudreau氏は今後フラッシュストレージが急速に拡大すると指摘

同社は今回のDELL EMC Worldにおいて、ITトランスフォーメーションを実現するため、ハイブリッドクラウド対応を打ち出しているが、Boudreau氏はストレージにおけるクラウド対応については、3つのステップがあると説明した。

「最初のステップは、クラウドとデータのやり取りを行うこと、次のステップは、クラウドを構築するということだ。我々は最高のインフラをオンプレミスの物理、およびソフトでも提供する。そして、最後がクラウドに依存しない複数のクラウドの管理だ」(Boudreau氏)

ストレージにおけるクラウド対応の3つのステップ

そしてさらに、データの分析機能も組み込んでいくとした。

「Software Definedでは、我々がもっとも広範囲で製品をもっている。これからも投資を続け、Software Definedの世界でイノベーションを続けていく。DELL EMCはこの業界で、データの保存や保護、セキュリティに関してはどこよりもたくさんのものに対応している。しかし、データを保存するだけではだめだ。保存するデータから価値を取って来ないといけない。そこで我々は、これを製品に組み入れた。また、エコシステムによって、より広範な分析やサービスを使えるようにし、価値を提供できるようにしている」(Boudreau氏)

拡張性については、スケールアップとスケールアウトの多次元拡張を搭載していくという。

「また、我々は多次元型のスケーリング能力を開発している。これは、スケールアップも、スケールアウトもできるというものだ。これによって、ストレージとコンピュート(サーバ)を一緒に拡張できる。今週発表した新しい、VMAX、XtremIO X2、iSilonの次世代モデルはすべて、この機能が利用できるようになっている。将来は、これが他の製品にもどんどん拡大していく」(Boudreau氏)

さらに、今後は自律型ストレージの機能を搭載するという。

「自動運転の自動車があるが、我々もストレージにおいて同じようなビジョンを持っている。これは、自律型ストレージと呼ぶものだ。それには、条件がある。まず、アプリケーション中心型であり、アプリケーションを理解すること。つまり、車に対してどこにいきたいかという行先をいうことだ。もう1つはポリシー主導型で、それは早く行きたいのか、景色のいい道を行きたいのかといったことだ。ここまでは簡単であり、かなりやってきているが、今後は自己認識の機能を入れようとしている。システムの中の制限を自分で理解し、情報をユーザーに提供するといったことだ。例えば、十分なガソリンが入っているかといったことを認識するものだ。自己認識ができれば、自己最適化もできる。十分なガソリンがなければ、ガソリンスタンドのあるルートで時間までに安全に行けるルートを選ぶといったことだ。これらによって、我々の製品がどんな方向に行こうとしているかがわかると思う」(Boudreau氏)

自律型ストレージの3つ条件