サン電子は、2017年5月10日から12日にかけて、東京ビッグサイトにて開催されている「Japan IT Week 春 2017」内の「第6回 IoT/M2M展」において、自社のM2Mリナックスゲートウェイ「Rooster GX」の後継機として開発が進められているIoT/M2Mリナックスゲートウェイの展示や、その場に置くだけで必要とするデータの取得が可能となるIoTセンサスターターキット「置くだけセンサPoCパッケージ」の実機デモなどを行っている。

Rooster GXの後継機となるIoT/M2Mリナックスゲートウェイ「OWL Java(仮)」は2017年夏の発売に向けて開発が進められているLTE通信対応Linuxゲートウェイで、AM TelecomのLTEモジュール「AML570」を採用することで、日本の3大通信キャリアに対応することが可能。また、インタフェースとして、新たにRS485を1ポート装備するなど、随所に新機軸が採用されているという。同ゲートウェイは、同社がサービスを提供するIoT/M2M遠隔管理サービス「SunDMS」に標準対応しており、これにより、死活監視、ファームウェア更新、Syslog取得、遠隔からの再起動といったサービスを無償で利用することも可能になるという。

3キャリア対応のLinuxゲートウェイ「OWL Java(仮)」。発売時には「Rooster ●X」といった従来の命名則に沿ったものとなると思われるが、まだ決めきれていないとのことであった。右はSunDMSの画面

一方の「置くだけセンサPoCパッケージ」は、親機(デモではRooster GXに接続)を用意した後は、同社が「置くだけ子機」と呼ぶボタン電池(CR2032)を2個並べたような瓢箪様の端末に、必要に応じて最大3個までMicro-USBを介して外付けセンサを接続(置くだけ子機自体にも温湿度、3軸加速度、照度、磁気センサを内蔵)。計測したい場所に置くだけで、欲しいデータを計測してくれる、というもの。無線周波数としては920MHzもしくは2.4GHzを利用しているが、無線通信プロトコルについては、独自のものとしていた。

会場では、「資材置き場での進入検知」や「倉庫の温湿度管理」、「オフィスの環境モニタリング」、「介護施設での徘徊防止」といったシーンを模したデモが行われているほか、本物の鉢植えミニトマトを持ち込んで、土壌データの採取も行われている。

「置くだけ子機」に2台の外付けセンサを接続したもの(左上)と、それを用いた実際のデモの様子。本当に置いてあるだけであることが見て取れる。ただし、実際に、これを商用利用しようと思うと、設置場所やら何やらで問題が生じることは分かっているので、あくまでPoCや実証実験レベルの製品といえる

なお、置くだけセンサについては、2018年度の商用化を目指して開発を進めているとのことで、今後、外付けセンサのラインアップ拡充などを図っていく予定としていた。