富士通、大成、スタディストの3社は5月10日、富士通のセンサーデバイスとクラウド型IoTデータ活用基盤サービス「FUJITSU Cloud Service K5 IoT Platform」、大成のビルメンテナンス業務に関するノウハウ、スタディストのクラウド型マニュアル作成・共有プラットフォーム「Teachme Biz」を連携させ、ビル設備の異常検知と状況に応じた作業指示マニュアルの自動配信を行うビル設備監視システムを構築したと発表。郵船不動産の協力の下、東京千代田区にある「郵船ビルディング」において、同システムの実証実験を行い、その有効性を実証したという。

実証実験の際、スタディストの「Teachme Biz」を活用し、熟練度が不十分な作業者にも分かりやすい形式で設備異常の状態に応じた点検手順や故障時の対応方法に関するマニュアルを事前に作成。「郵船ビルディング」内の空調設備に、富士通アドバンストエンジニアリングが提供するセンサーデバイス「ちょいロガ」を設置し、空調設備の温度や加速度(振動)等を計測し、IoTシステムでクラウド基盤「K5 IoT Platform」に計測結果を集約。

続いて、大成が持つビルメンテナンスのノウハウに基づいて、設備の故障やその予兆を検知する条件を設定し、「Teachme Biz」に集約されたデータの中でその条件に当てはまる異常値を検出。異常を検知した後、「Teachme Biz」は該当設備の異常内容に応じたマニュアルを、設備管理者および現場作業員に自動配信することで、速やかに必要な対応を実施した。

実証システムのイメージ

実験の結果、同システムを活用することにより、「郵船ビルディング」内の空調設備の稼働状況を、約6か月間にわたってリアルタイム監視することが可能であることを実証したという。

「Teachme Biz」による設備異常発生時のマニュアル自動配信についても、疑似的に設備故障を検知させるシミュレーションを通して、問題なく実現できることを実証したとしている。

今後3社は、今回実証したビル設備監視システムを製品化し、大成のサービスの一部として2018年中に提供することを目指している。