マクニカと凸版印刷は5月9日、セキュアなIoT環境を実現するソリューション/サービスにおいて協業を開始すると発表した。今回の協業により、IoT端末の内部にセキュアICチップを組み込み、データの盗聴や改ざん、ソフトウェアの不正な書き換えなどを防止するセキュリティ・ソリューションを開発し、2017年度中にマクニカから提供を開始する予定。
今回の協業は、マクニカが取り扱う半導体の商品ラインアップ、用途に合わせた最適な商品を選択する力、自社製品の開発で培ったハードウェア/ソフトウェアのノウハウと、凸版印刷が持つICカード事業で培ったセキュアICチップのシステム開発技術やネットワークを通じて機密データを配信・管理するICカード発行技術を融合するものだという。
機密データや工場内の秘匿性の高いデータなどを収集するIoT端末をデータの盗聴や改竄、乗っ取りなどのセキュリティ脅威から守るソリューションと、セキュリティが確保された管理サーバによるIoT端末の暗号鍵のライフサイクル・マネジメントの開発・提供を目指す。
この協業によるセキュリティソリューションの開発・提供に関して、マクニカはセキュアICチップを組み込んだIoT端末および検証用環境の開発・製造・販売を、凸版印刷は無線通信を介しセキュアICチップに対するアプリケーションおよび鍵情報の配信サービスを提供する。
IoT端末開発環境と検証用環境に関しては、セキュアICチップおよび最新の半導体製品を搭載するハードウェアプラットフォームを提供する。これにより、流出が許されない秘密鍵をIoT端末上のセキュアICチップで保護することで、IoT端末自体を強固なセキュリティで保護できるという。
IoT端末の暗号鍵の管理は、凸版印刷が金融系システムの開発・運用で培ってきたノウハウを利用し、管理サーバで遠隔からIoT端末用の鍵生成・削除・更新などが可能。市場へ一旦流通したIoT端末に関しても、通信ネットワークを通じて遠隔地から鍵をコントロールすることで、突発的なセキュリティインシデントに対して柔軟な対応が可能になるとしている。