2017年4月22日(土)・23日(日)の2日間、IID世田谷区ものづくり学校を会場に「AMAZON キッズ ブック ウィーク」が開催された。これは4月23日の「World Book Day」に合わせ、世界12カ国で展開されたAmazonの読書啓発イベントで、今年が初の試み。日本では、親子で楽しめるファミリーイベントが企画された。

会場は、旧池尻中学校の校舎を再利用した「IID世田谷区ものづくり学校」

会場には「読む」「聴く」「描く」などで本を楽しむさまざまなコーナーが用意され、約600人の親子が本の世界を楽しんだ。

絵本を読んだり、昔話を聴いたり、物語を描いたり。子供たちの笑顔が絶えない春の週末となった

2日間で持ち寄られた本は約900冊

会場には絵本、児童書、歴史マンガなど幅広いジャンルの本が並び、子供たちがお気に入りの一冊を探しながら思い思いに読書の時間を満喫。チャリティ・イベント「Global Free Library」の一環として、読み終わった本を持ってくると会場内の本と交換できる"Bring a Book, Take a Book(読み終わった本をあげよう、そして読んだ事のない本と出会おう)"も実施され、出版社さんの協力も受けて900冊の本が集まった。

持ってきた本を渡して「本の交換券」をもらう。お気に入りの本を見つけてカウンターへ持っていけば、交換成立

タブレットで本を楽しむeブックも設置され、興味深そうに手にする子供も多かった

多彩な演出で盛りだくさんの「紙芝居」

1日5回、紙芝居師が登場し、桃太郎や一寸法師など8つの昔話を織り交ぜたオリジナル紙芝居が披露された。話の途中にクイズあり、バルーンアートあり、曲芸ありと盛りだくさんの30分。太鼓の音とともに次々と展開される、ユーモアたっぷりの紙芝居に会場は大きな笑いに包まれた。

飛び出す紙芝居『うめちゃんの昔ばなし』。観覧中のお父さんを巻き込んだ立ち回りで物語はハッピーエンドに

「朗読」を聴いて、物語の一場面を絵に描く

世界の名作を声優たちが読み上げる朗読会では、プロの見事な台詞まわしに大人も子どもも釘付けになった。朗読を聴いた後、子供たちは印象に残った場面を想像しながらお絵描きに挑戦。父母たちには声優から読み聞かせのコツが伝授された。

「雪の王様」を朗読する西村健志さん。想像力を膨らませて物語のワンシーンを描く子供たち

「表現豊かな読み聞かせもいいが、想像させるためにあえて静かに語るのもいい」「音を繰り返して読むと楽しくなる」など読み聞かせのアドバイスを聴く父母たち

大人になっても忘れない素敵な一冊との出会いを

「今回のイベントは12カ国で展開されたグローバルなものですが、各国でイベント内容は異なります。私達は、子供の時代から本に親しんでほしい、読むだけでなくいろいろなかたちで本に出会ってほしいという想いから、イベントを考えました。大人になっても忘れられない本が誰にでもあると思います。そういう一冊と出会ってくれたら嬉しいです」と話すのは、イベントを主催したAmazonの村井本部長。

Amazonでは、クリスマスに社員100人規模で本の交換会をやることがあるという。「たまたま出会った一冊が、食わず嫌いだっただけでとても素敵だったこともあります。子供たちに本というたくさんの扉を開いてほしいと思います」。

いつも百科事典に見入っている本好きの子供だったという村井氏。記憶に残っている絵本は『ちいさいおうち』だそうだ