ARMは、自動車の先進運転支援システム(ADAS)向け画像処理プロセッサ(ISP)の第一弾となる「ARM Mali-C71」を発表した。

同ISPは、過酷な条件下で複数のカメラを管理する画像処理能力のほか、厳しい自動車用機能安全規格に適合するよう設計されたもので、最初からADAS SoCとしてエンコード処理やコンピュータビジョンなどを統合することを可能としている。

デジタル一眼レフカメラを上回る最大24ストップの超ワイドダイナミックレンジ(UWDR)のフレームをノイズを除去し、複数のカメラの露出を処理して作成することが可能なほか、300以上の専用障害検出回路により、低レイテンシで高度なエラー検出機能を実現する。また、ISO26262、ASIL D、IEC 61508、SIL3などの機能安全規格に適合するよう設計されており、対応のセーフティパックが提供される予定だとのことで、同社では現在、ISP、センサ、自動ホワイトバランス、自動露出を制御するフルリファレンスソフトウェアを提供するとしているほか、ASIL((Automotive Safety Integrity Level:安全性要求レベル)適合向け総合車載ソフトウェアの開発も計画しているとする。

さらに、1つのハードウェアIPで、単一の画像処理パイプラインから、異なる方法で処理した2つの出力を生成することも可能としており、これによりドライバーへの高画質な画像の提供をしつつ、コンピュータビジョンエンジンへの信頼性の高いデータの提供を可能としていると同社では説明している。

将来の自動車には10~12台のカメラが接続されると予測されている