ガートナー ジャパンは4月24日、日本におけるBIとデータ活用に関する調査結果を発表した。その結果、BIツールの導入率は全体で37%、従業員数規模2000人以上の大企業においては80%に達したことがわかった。
これは、2013年11月の調査時点で利用中または導入中であった企業と、3年以内の導入を予定していた企業の割合の合計を超えており、BIツールを導入する企業は順調に増えているという。
一方、BIツールを導入している企業の中で、どの程度の従業員がBIツールを使っているのか尋ねたところ、全従業員の2割未満という企業が過半数、1割未満という企業も全体のおよそ3分の1に達しており、企業内でBIツールを利用している従業員は一部にとどまっていることも明らかになった。
この結果について、リサーチ部門マネージング バイス プレジデントの堀内秀明氏は、次のようにコメントしている。
「3年後の導入状況が計画を上回る傾向は、2010年の調査以来続いている。この傾向は、ビッグ・データに関するブームなどの影響を受けて、データ活用に対する関心が高い水準で推移していることに加え、セルフサービスBIやクラウドBIなど、従来よりも導入へのハードルが低い製品やサービスが登場していることにも後押しされている。しかし、BIツールを利用している従業員が限定的であることから、BIツールを導入した企業でも、現時点ではその利用が完全に浸透していないことがうかがえる。BIツールを導入したものの、なかなか利用が広まらないという企業では、継続的かつ組織的にBIを推進する必要がある。加えて、ガートナーでは、単一のBIツールでユーザー部門からの幅広いBIのニーズに適時対応することは難しいと考えている。利用中のツールの特性が、BIを利用できていない従業員のニーズとマッチしているかを確認し、マッチしていない場合は、ツールの追加導入を検討する必要があるかもしれない。そのような場合、セルフサービスBIを理解した上で、それが自社のデータ活用の高度化や効率化に寄与し得るものか否かを吟味するとよいだろう」