東京国立博物館と凸版印刷は、加藤清正が築いた熊本城を再現したVR作品「熊本城」を「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター(東洋館内)」にて上演する。上演期間は4月26日~7月30日。料金は高校生以上500円、中学生・小学生300円。

五重・三重の櫓が立ち並ぶ江戸時代中期の熊本城(VR作品「熊本城」)

防御の仕掛けで固めた天守(VR作品「熊本城」)

VR作品「熊本城」は、五重・三重の櫓(やぐら)が立ち並び威容を誇っていた江戸時代の熊本城を題材に、城郭建築および熊本城研究の専門家による学術監修のもと2011年に凸版印刷が制作したもの。制作には平面形状と柱割が把握できる重要な史料「御城内御絵図(おんじょうないおえず)」と立面意匠が表現された「御城図(おしろず)」などの古図面を参照したほか、宇土櫓(うとやぐら)や天守閣、本丸御殿などの建造物や石垣を詳細にデジタル撮影した約40,000枚におよぶ画像が活用されている。同作品は通常、熊本城内の観光施設「桜の馬場 城彩苑」内の「湧々座」で公開されており、同ミュージアムシアターでは、2016年6月から7月に熊本城復興支援として特別上演が行われた。

今回の上演作品は、湧々座での上演作品に東京国立博物館が所蔵する加藤清正ゆかりの作品の紹介など、新たなシーンを加えたミュージアムシアター編で、勇猛果敢な武将であり築城の名手でもあった加藤清正が実戦本位の城として築いた熊本城の、不落の名城ともよばれる強さの秘訣を紐解きながら、その美しく勇壮な姿を鑑賞できるという。上演中は専属ナビゲーターが案内役となり、難攻不落の城に攻め入るかのように、竹之丸から天守、そして本丸御殿へと向かい、あたかも実際にその場にいるかのような体験が可能となっている。また、江戸時代から明治時代、そして現代にいたる城の変遷をたどり、人々により引き継がれ、そして未来へ受け継がれていく城の姿が紹介されるということだ。そのほか、期間中、熊本地震から1年が経過した熊本城の復旧状況もパネル展示で紹介される。

上演期間は4月26日~7月30日。上演時間は水・木・金が12:00、13:00、14:00、15:00、16:00。土・日・祝・休日が11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00。所要時間は約40分、各回定員90名。 料金は高校生以上500円、中学生・小学生300円。また、大学生以上は博物館入館チケットが別途必要となる。