ソラミツと、カンボジア王国の中央銀行であり金融監督当局であるカンボジア国立銀行は4月21日、オープンソースのブロックチェーン(分散型台帳技術)「Hyperledger Iroha」の共同開発に着手すると発表した。

今回締結する共同開発契約により、カンボジア国立銀行は、ブロックチェーン(分散型台帳技術)の活用を研究し、Hyperledger Irohaのオープンソース開発とHyperledger Irohaを活用したカンボジアの新しい決済インフラの開発に着手する。

ブロックチェーン(分散型台帳技術)は、仮想通貨Bitcoinに代表される分散型アプリケーションの基盤となる技術であり、ブロックチェーンにより仮想通貨やデジタルアセットの生成や送受信などをネットワーク上で安全に実行可能であることが数学的に検証されている。ネットワーク上で実行された取引は、ネットワークに参加するすべての人がアクセスできる共有台帳に記録され、データを高度に冗長化し、サイバー攻撃に対して堅牢なシステムを構築することが可能だ。

Hyperledger Irohaは、モバイルやWebアプリケーションなどにおいて、利用者にとって高いレスポンスやパフォーマンスを実現するアプリケーション構築が可能である事が最大の特徴だ。台帳上の取引を制御するUnixスタイルの権限管理機能と高度に最適化されたデータベースモデルにより、Hyperledger Irohaはデータを安全かつ迅速に処理できる。これらの機能により、デジタル決済、契約管理、アイデンティティ・マネジメント、サプライチェーン・マネジメントなどさまざまなユースケースへの対応が可能になる。

Hyperledger Irohaでは、いわゆる「スマートコントラクト」によってロジックを内蔵したプログラマブル・マネーを作り出すことができ、取引条件をコンピュータ・プログラムによって決定できる。これにより、効率的で安全な決済インフラを構築する「スマートマネー」を実現できる。

ソラミツは、ブロックチェーンのスタートアップ企業であり、ブロックチェーン技術を活用したFintechやデジタル・アイデンティティ・プラットフォームの構築などを進めている。ソラミツは分散型台帳プラットフォームHyperledger Irohaの初期開発者であり、複数社の開発パートナーと共に、開発・メンテナンスを継続できる。Linux Foundationによって運営されているHyperledgerプロジェクトのメンバーとして、ブロックチェーンと分散台帳技術のソフトウェア標準に貢献することを目指している。