NECは4月19日、同社のIAサーバ「Express5800シリーズ」において、スリムサーバ「Express5800/T110i-S」を発売した。標準型に加え、UPS内蔵型、タワー型、ラック型をラインアップし、出荷開始日は4月26日を予定している。

スリムサーバ(UPS内蔵モデル)の外観

同製品の特徴として「内蔵バッテリーモジュールによる予期せぬ瞬電や停電への対応」「M.2 SATA SSD(エム・ドット・ツー)によるデータ保管領域の拡大やOS起動の高速化が可能」「幅広い温湿度対応など多様な設置環境に対応可能」の3点を挙げている。

UPS内蔵型の内蔵バッテリーモジュールは、100Wの出力で7分半の電源供給が可能としており、瞬電時のサーバの継続動作や停電時の安全なシャットダウンができるという。省スペースな98mm幅のスリムサーバにバッテリーを内蔵、外付け型のUPSを設置する場合と比べて設置スペースを約1/2に削減し、机上や足元などにコンパクトに設置が可能としている。

内蔵バッテリーモジュールの外観

また、UPSがサーバ内蔵のため管理ソフトウェアのインストールや設定作業などが不要となり、標準搭載のマネジメント・チップ「EXPRESSSCOPEエンジン3」により、OS環境に依存せずバッテリーの状態確認や設定変更ができるほか、長寿命のニッケル水素電池を採用し、5年間交換が不要としている。USP内蔵型の価格は22万6000円(税別)~。

内蔵バッテリーモジュールの動作・設定画面イメージ

M.2 SATA SSDは、OSの格納先としてオプションで提供。OSをM.2 SATA SSDに格納することで、通常のHDD/SSDスロットをすべてデータ領域として利用が可能なため、画像管理・解析やデータベースなどのストレージ領域が必要な用途で利用できるという。

さらに、HDDに比べ、OS起動/シャットダウン時間を最大で1/3に短縮を可能とし、UPS内蔵モデルにおける限られた電力供給時間の中でのシャットダウン時間の短縮や、学校・店舗などで毎日サーバをON/OFF運用しているケースに適し、RAIDによるデータの二重化や寿命監視に対応し、安全なデータ保管が可能としている。

幅広い温湿度対応など多様な設置環境に対応可能な点については、環境湿度は5~48℃(40℃を超える環境温度での運用には別途オプションが必要)に対応し、多様な設置環境で利用できるという。そのほか、水冷式冷却システムを搭載した水冷モデルは、CPU冷却ファンの削減により静音化や塵埃の吸い込み/巻き上げの抑制に有効であり、オプションの防塵フィルタによる塵埃の吸い込み防止や、目詰まり検出センサによる適切なタイミングでのフィルタ交換も可能としている。

価格は、いずれも税別で標準型が18万7000円~、タワー型のExpress5800/T110iが20万9000円(税別)~、Express5800/GT110iが11万1000円(同)~、ラック型のExpress5800/R110i-1が25万8000円(同)~。

なお、インテルの最新CPUであるXeonプロセッサー E3-1200v6製品ファミリーや転送速度を向上した「DDR4-2400 UDIMM」に対応する3機種(Express5800/T110i、Express5800/GT110i、Express5800/R110i-1)も同時に販売開始している。