JR西日本と富士通は4月19日、睡眠状態の記録・可視化や個人に合った睡眠改善のアドバイスを行うシステムを開発・実証したと発表した。
JR西日本は、乗務員の乗務の質の向上に向け睡眠改善の取り組みを行っているが、睡眠時間や睡眠状態の記録は手間や継続して記録する必要がある上に、乗務員個人が記録する場合、乗務員の主観に依存している点や、乗務員個々に合った効果的なアドバイスが十分ではないといった課題があったという。
そこでJR西日本は、2014年度から富士通と共同で、より簡便で効果の高い睡眠改善を実現させるツールの導入に向けた検討を進めている。
今回発表したシステムは、センサーで自動計測したデータから睡眠状態を可視化・分析し、睡眠改善のアドバイスを行うもの。
睡眠状態の可視化については、就寝時に装着したセンサーで計測した睡眠に関するデータを、専用の端末(NFCリーダー)を接続したPCで読み取る。計測したデータを体動量データに変換し、その体動量データを分析して、就床・入眠・睡眠・覚醒・起床といった睡眠状態を表すことができるという。
睡眠改善のアドバイスに関しては、専門家の監修による分析アルゴリズムを用いて計測したデータを分析し、個々に合った睡眠の質を改善するためのアドバイスを行う。
JR西日本では、2017年度中に乗務員が所属する全ての職場63箇所へのこのシステムの導入展開を行うと共に、今後も睡眠改善の取り組みを着実に進める。
一方富士通では、JR西日本での実証実験の結果を活用して、2017年中に本システムの製品化を目指す。