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三井住友銀行と国立研究開発法人理化学研究所は、科学技術の振興とイノベーション創出活動における連携を目的とした覚書を締結したことを18日発表した。

理化学研究所はタカジアスターゼとアドレナリンの発見でも知られる高峰譲吉博士の国民科学研究所の必要性の提唱から約4年後の1917年、財団法人理化学研究所として設立。以来、国の研究開発機能の中核的な担い手のひとつとして、研究開発を進め、2015年には国立研究開発法人理化学研究所となり現在に至る。

最先端研究基盤施設の整備・開発を行う「基盤センター」、社会の必要に応じた集中的・戦略的研究を行う「戦略センター」、高い研究実績を持つそれぞれの「主任研究員研究室」と、バイオ、医療技術に光量子、脳科学に計算科学と広範な分野の研究を進めている。産業界との連携には個別の研究成果を企業や医療機関など外部への還元を図る組織、産業連携本部も設置してある。

三井住友銀行と理化学研究所の両者は18日、科学技術の振興とイノベーション創出活動における連携を目的とする覚書を締結したことを発表。連携・協力事項には「科学技術の振興とイノベーション創出活動の推進に関わる情報交換」、「技術コンサルティング等を通じたイノベーション創出に向けた連携」、「ベンチャー企業の創業支援、起業家の育成」、「その他本覚書の目的を達成するために必要な事項」の4項目が発表されており、具体的には三井住友銀行が主催する企業のオープンイノベーションへの参加、協力や理研発ベンチャーの創出や企業連携の促進が図られる。

覚書を手にする成田学副頭取(向かって右)と松本紘理事長(向かって左)(理化学研究所資料よ )

産学連携という言葉に代表されるように、優れた研究開発の成果がベンチャー企業の創業や起業家の育成、産業のイノベーションへと繋がり、社会の課題解決をもたらす。1913年、理化学研究所の沿革史にも名を残す高峰譲吉博士は、現在の名だたる大企業へと繋がる当時のベンチャー企業設立にも数多く携わっている。