東京国立博物館と凸版印刷は4月18日、VR技術を活用した新しい文化財鑑賞手法の開発を目的とする第3期共同プロジェクトの契約を締結したことを発表した。

同プロジェクトは、VR技術を活用した新しい文化財鑑賞手法の開発し、「TNM&TOPPAN ミュージアムシアター」を日本文化の体験拠点、新たな観光拠点として展開していくことを目指すもの。

2020年に向け、訪日外国人の増加や国内外の日本文化への興味関心の高まりが見込まれることから、外国人でも日本の文化を体験できる多言語コンテンツや、子どもなどでも楽しみながら学べる体験型コンテンツを制作など、新しい文化財鑑賞手法を開発していく。

「TNM&TOPPAN ミュージアムシアター」イメージ

なお両者は2007年より、第1期、第2期にわたり共同でプロジェクトを推進してきた。2007年~2011年に実施した第1期には、同プロジェクトの実験の場として、東京国立博物館の資料館に「TNM&TOPPAN ミュージアムシアター」を開設。VR技術を活用した文化財の公開手法を開発・検証した。

2012年~2016年の第2期には、300インチの大型スクリーンと超高精細4Kプロジェクタを導入し、座席数98席のシアターを東洋館地下1階に新設。一般向け有料上演および旅行代理店などへの貸切上演の提供など、さまざまな上演スタイルの可能性を検証した。

また、VR作品としてこれまでに「洛中洛外図屏風 舟木本」「DOGU」「伊能忠敬の日本図」など、東京国立博物館の所蔵品をテーマとした共同作品を9本制作・上演している。