オートデスクはこのほど、不動産の経営・維持管理を行う資産管理や施設管理に、BIMデータを活用して資産価値向上を支援するために、プロパティデータバンク(PDB)とパートナーシップ提携を締結したことを発表した。両社は今後、維持保全業務の効率化や施設の長寿命化、そして投資用不動産の収益向上を支援する新しいアプリケーションやサービスの開発に取り組むという。
このパートナーシップをもとにPDBは今後、オートデスクのBIMソフトウェア「Autodesk Revit」のBIM データから、資産管理や施設管理などに必要なデータをPDBの不動産管理クラウドサービス「@プロパティ」に取り込むためのアプリケーションを開発するという。これに伴い同社は、BIMデータを活用したものとして国内初となる新しい資産管理・施設管理サービスを年内に提供するということだ。
現在の建物の多くでは、所有者や管理会社が図面や書類を別々に所有しているため更新状態が異なるほか、テナントの契約情報やスペースの利用情報、収益やコストに関する資産情報は書類で散逸している場合が多く、図面ともリンクしないこともあって活用されていない。
これに対し、PDBが提供予定の新しい資産管理サービスは、PIM(Property Information Modeling=)という考え方に基づき、資産管理に関する幅広いデータを"見える化"して分かりやすく理解・共有でき、テナント契約、収益、コスト、投資計画などのデータや、設備の点検データなどと連携させた総合的な資産管理データベースとなる。これにより不動産オーナーは、不動産の資産価値向上と管理コスト削減を図れるということだ。
また、オートデスクもPDBの目指すPIMの実現を支援し、同社のBIMソフトウェアやクラウドサービスのテクノロジーを提供することで、資産管理・施設管理分野での BIMの活用を促進するという。