日本マイクロソフトは4月17日、同社の働き方改革に関する最新の取り組みについて説明。この中で日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏は、7月から「働き方改革推進会社ネットワーク」(仮称)を新たに設置し、日本社会に働き方改革のムーブメントを起こしていくと語った。

日本マイクロソフト 代表取締役 社長 平野拓也氏

「働き方改革推進会社ネットワーク」は、働き方改革を推進する会社同士のネットワークで、同社のビジネスパートナー以外からも参加を求め、日本全体の働き方改革の推進を活性化していくという。活動を開始するのは7月からだが、6月初旬から募集を開始し、準備を進めるという。

「働き方改革推進会社ネットワーク」設立の背景について平野氏は、「これまで3年間テレワークおよび働き方改革週間を毎年行ってきており、昨年は833の法人が賛同し、参加した。これは年1回、1週間活動するものだが、今後は2020年に向け、継続的に働き方改革の活動を行い、ムーブメントの起こす活動を行っていきたい」と説明した。

同氏は、働き方改革において重要なのは、会社主導で行うのではなく、社員自ら気づきを得て、実践していくことだと強調する。

「いつでもどこでも仕事ができるというのも働き方改革だが、自ら働き方をどうすればいいのかという社員の気づきが増えるカルチャー作りの醸成が仕事のインパクトを高めていく。テレワークも会社が強制的にやらせるのではなく、個人の考え方と仕事に対するインパクトで考えていくことが重要だ」(平野氏)

同社がこの「気づき」を与えるソリューションとして、積極展開するのがOffice 365だ。 同氏は、Office 365のビックデータをAIで分析することで、どのように時間を使っているのか、誰と多くの時間を共有しているのかがわかると指摘。

具体的には、会議中にメールをしていた時間(内職していた時間)、残業時間内に行われた会議がどれくらいなのか、自分が主催した会議と招待された会議がそれぞれどれくらいなのか、送ったメールうち、どれくらいが読まれたのかなどがわかるとした。

Office 365による作業時間の集計

AIを利用した改善提案

同社ではファイナンス、営業、人事、マーケティングの4事業部で4カ月間、MyAnalyticsを使った社内検証を実施したところ、無駄な会議が27%(3579時間)削減され、年あたり約7億円の経費削減効果があったという。

MyAnalyticsを使った社内検証プロジェクトの検証結果

また、同氏は会話ベースのコミュニケーションツール「Microsoft Teams」は、共同作業の改革に役立つと説明。

「Microsoft Teamsによって、形式ばったビジネスではなく、カジュアルな形式で作業を進めることができる。今は1つの事業部だけで作業を進めることは少なくなってきた、部門横断的なプロジェクトを進める場合に強力なツールになる」とした。

「Microsoft Teams」

そのほか、同社では大画面ディスプレイを備えたコラボレーションデバイス「Microsoft Surface Hub」を30台、社内のオープンスペースや会議室に設置し、会議のやり方を改革しているほか、品川にオフィスを移転した5年前からPBXをなくし、クラウドベースの通話に移行し、大きなインパクト(5年間27億円の削減)があったという。

「Microsoft Surface Hub」の活用

平野氏は、「マイクロソフトも働き改革に長い間取り組むことで、ノウハウや経験、失敗も含めてソリューションが貯まってきた。そして、働き改革支援のスペシャリスト、アーキテクト、コンサルティングは100名体制になってきた。そういったものを整備して、信頼されるパートナーになり、お客様のビジネスに貢献していきたい」と語った。

日本マイクロソフトの働き方改革へのコミットメント