二酸化炭素(CO2)をはじめとする温室効果ガスの2015年度国内排出量は13億2.500万トン(CO2換算)だったと、環境省と国立環境研究所が13日発表した。前年度比2.9%減で2年連続の減少となった。排出量減少の要因について同省は、省エネ家電の普及や冷夏・暖冬による影響、再生可能エネルギーの導入拡大などを挙げている。

図 1990年度と2005年度以降の国内温室効果ガスの増減のグラフ(環境省提供)

発表によると、2015年度の温室効果ガスの総排出量は前年度(総排出量13億6,400万トン)比では2.9%減だが、政府がパリ協定に基づいて進める「地球温暖化対策計画」の基準年の2013年度(同14億900万トン)比6.0%減となり、2005年度(同13億9,900万トン)比では5.3%減だった。

10年前となる2005年度と2015年度の部門別増減では、オゾン層破壊物質の代替措置に伴って冷媒分野のハイドロフルオロカーボン類(HFCs)の排出量が増加した一方で、産業部門や運輸部門のエネルギー起源のCO2排出量が減少している。

政府は、温室効果ガス排出量を2020年度に1990年度比25%削減する目標を2009年に掲げたが、2013年に撤回して新たな目標として2005年度比3.8%減に変更した。その後、地球温暖化対策の新枠組み「パリ協定」の交渉を通じて、2030年度に2013年度比26%削減する長期目標を新たに設定している。

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