日本ヒューレット・パッカードは4月11日、企業の働き方改革をサポートする次世代ミーティングルームのショーケース「HPE Intelligent Spaces - Workplace」を大島オフィスに開設すると発表した。
「HPE Intelligent Spaces - Workplace」は通称「Cube」と呼ばれ、HPE Arubaの技術、マイクロソフトのワークプレイス生産性向上のための技術、サードパーティのクラウドサービスとの連携がデザインされたもの。
執行役員 テクノロジーコンサルティング事業統括 事業統括本部長の小川光由氏は、「HPE Intelligent Spaces」において、働き方改革を実現する技術として、「生産性・効率性」の観点からデジタルコラボレーションを、「コスト」の観点からハイブリッドクライアントを、「セキュリティ」の観点からアイデンティティ管理製品とセキュリティ対策製品が取り入れられていると説明した。
「HPE Intelligent Spaces」は具体的には、「位置情報」「ワークフロー」「リソースアロケーション」「コミュニケーション/コラボレーション」といったコンポーネントにより、以下の機能を提供する。
- 会議室への入室を自動認識
- 部屋の状況をリアルタイムに更新し、サイネージに反映
- フルセットアップ会議室テクノロジーによる会議の自動開始・終了
- 物理的な出席者を同じデジタル空間に自動的に誘導
- 会議出席者が使用するコラボレーションツールとの統合
- 会議終了時に会議中に作成されたアウトプットを共有
「LOSANT」はIoTプラットフォーム、meridianは位置情報システム、Robinは会議システムとなる。
説明会では、「HPE Intelligent Spaces」のデモが披露されたが。会議室に人が入ると、システムが入室したことを認識し、Cortanaが名前を呼びかけた後、Skype for Businessが自動的に呼び出された。参加者が退室すると、その位置情報を検出してSkype for Businessを終了させ、会議室が利用可能な状態になる。システムで制御されている室内のLEDも、人の動きに合わせて色が変わった。
小川氏は「HPE Intelligent Spacesでテクノロジーを実際に体験することで、活用を検討することが容易になる。また、HPE Intelligent Spacesでは、人が会議室に入ってから会議室が使えるようになるまで、1分半しかかかっていないことにも注目していただきたい。通常であれば、会議システムの準備などでもっと時間がかかるはず」と述べた。
代表取締役社長執行役員の吉田仁志氏からは、同社の働き方改革に対する考え方とそれを実現するために行っていることについて説明があった。
「われわれは、働き方改革について、『会社で仕事をする』時代から『会社を社員に届ける時代』にすることと考えている。一般に、働き方改革とあわせてライフワークバランスの実現が語られるが、ワークとライフのインテグレーションが必要だと思う。これは、在宅勤務やフレックス制度だけでは解決できない。柔軟な働き方とともに、社外と社内の双方で効率よく働くことを実現する必要があると言える」
吉田氏は同社の働き方改革の例として、数千人規模のフリーアドレス制、電源が設置されたカフェテリア、有線・無線がシームレスに利用できるネットワーク環境、Office 365 Enterprise E5への全面移行、Skype for BusinessとOutlook連携によるオンライン/オフラインのハイブリッド会議の実施などを挙げた。
説明会には、日本マイクロソフト 代表取締役社長の平野拓也氏も登場し、クラウドによる働き方改革の支援について語った。
「クラウドやAIにより、人間の可能性が広がっており、クラウドは働き方改革の支援に役立っている。HPE Intelligent Spacesに採用されているOffice 365は当社のクラウドサービスの基盤だが、作業とコミュニケーション環境を統合する。日経銘柄225の80%が既に導入するなど、Office 365の導入数は今年3月末で目標値を大幅に上回っている。HPE Intelligent Spacesは半歩先の技術を体験できる点で説得力があり、期待している」
なお、HPE Intelligent Spacesの価格については明らかにされていないが、中堅・中小規模の企業での導入も想定しており、クラウドを組み合わせていることで安価に抑えられているという。