ザファーム、NTTテクノクロス、エス・アイテックスの3社は、調理時間を軽減しながらも安心でおいしい食事ができるように支援する「生野菜超え!おいしい冷凍野菜とおやつやさいキャンペーン(以下、キャンペーン)」を、4月4日から9月29日まで実施すると発表した。
キャンペーンでは、農園リゾートを運営しているザファームが販売する野菜(生野菜1種、冷凍野菜6種)をNTTテクノクロスが科学的に産地を評価し、野菜の品質(味・栄養素)と合わせて付加情報を提供、献立アプリ「ソラレピ」を運営するエス・アイテックスが、管理栄養士オリジナルレシピを「ソラレピ」で提供する。
3社はこのキャンペーンを通じて、育児や介護に時間を割く必要がある人や、働きながら家事を両立する人など、少しでも家事にかかる時間を減らして負担を軽減するために、短い時間でも安心・健康とおいしさを考慮した食事を実現できるように応援する。
NTTテクノクロスが行う産地証明(上の左図の検査済)は、野菜の含まれる水分の安定同位体の比率を測定することで証明する。安定同位体は、元素の中の同位体と呼ばれる質量数(原子の重さ)が異なる原子。野菜はその土地に降った雨水を取り入れて生育するので、緯度・高度などによって異なる安定同位体の比率を調べれば産地が判明するという。NTTでは水素と酸素の安定同位体の比率で判定している。
また、同社は産地証明だけでなく、味(糖分)や栄養素も測定し、サイトに表示する(上の左図)。
NTT研究所では、安定・高速な通信を実現するため通信用のレーザ光源の開発しており、産地証明はこの技術を応用したもの。
3社によるキャンペーンを開始した背景について、NTTテクノクロス 取締役 フューチャーネットワーク事業部長 笠原英樹氏は「昨年、NTTの厚木研究開発センタで、産地推定の共同実験を行ったが、その結果が良好であったことから。これをさらに発展させたいと思い、ザファームさんが運営する和郷園様に声をかけ、今回3社で取り組むことになった。最近は共働きが増え、とも働き、ワークライフバランスが叫ばれており、今回の取り組みがその一助になればと思っている」と語った。
今回の産地証明は、NTTテクノクロスが調査した各地の水源地のデータをベースに判定。測定は全品に対してはなく、サンプリングで行う。
NTTテクノクロス フューチャーネットワーク事業部 主任エンジニア 酒井歩氏は、今回の取り組みの意義について、「これまでこういった分析を行う場合は値段が高く、一般レベルで使うというよりも、研究所で利用するようなものであった。今回は、流通の段階で消費者の方に見える形で提供できるようになったのが特徴だ。今回の分析は、今後もサービスとして提供しようと思っている。現状数十万レベルの検査費用を数万レベルで提供したいと思っている。精度は同じ産地のものかどうかを判定する分には、高い精度を出せるが、産地を当てるというような技術ではない。データにぶれがないことを継続的に確認していくためのものだ」と説明した。