フェイスブック ジャパンは3月30日、Facebook動画広告の活用および効果測定に関するプレス向けラウンドテーブルを開催し、Facebookにおける動画の現状と特徴について説明した。

フェイスブック ジャパン Head of Vertical Industry 鈴木大也氏によれば、同社の現在のグローバルでのアクティブユーザー(月間)は、Facebookが18.6億人、Instagramは6億人だという。一方日本のユーザーは、Facebookが2700万人、Instagramが1600万人で、モバイルユーザーのユーザーの割合が高く、Facebookは90%以上、Instagramはほぼすべてがモバイルユーザーだという。

日本におけるFacebookのアクティブユーザー

鈴木氏は、インターネットにおけるコミュニケーションの変遷について、「テキストから写真になり、今は動画になっている。今後はVR/ARに移行していくだろう。2020年には、インターネット情報のうち、80%を動画が占めるという予測もあり、どんどん動画は見られている。また、スマホやタブレットで動画を視聴する傾向が強まっており、現在では半数を占めている。Facebookでは、グローバルで動画が80億回1日に再生されている」と、インターネットにおいて、今後、動画がますます存在感を強めていくという見通しを説明した。

フェイスブック ジャパン Head of Vertical Industry 鈴木大也氏

同氏は、このように動画が視聴されるようになった背景として、短いものは移動時間などの隙間時間に閲覧し、長いものはリビングやベットで見るなど、視聴の多様化があるとした。

動画視聴の多様化

また、消費者行動も変わってきており、10年前はメデイアの接触時間は、テレビが半数を占め、携帯電話/スマートフォンはわずか3%だったが、現在はその比率が23%まで拡大しており、特に20代、30代では、テレビの視聴時間を越えているという。

消費者行動の変化(博報堂DYメディアパートナーズ調べ)

こういったデータを踏まえ鈴木氏は、「テレビは強力なメディアだが、テレビをあまりみない層も約4割おり、Facebookはこれらの層に対してもフラットに訴求することができ、テレビを補完できる。また、時間帯においても、テレビをあまり視聴しない時間帯にもFacebookが利用されているため、テレビとFacebookを併用することで、より多くの人にリーチできる」とした。

平日のテレビとFacebook/Instagramの利用動向消費者行動の変化(Kantar Japan調べ)

同氏は動画広告におけるFacebookの強みについて、次のように説明した。

「テレビはターゲットの広さ、予算、ポジショニングにおいてベストなソリューションではない場合もある。一方、Facebookはピンポイントでブランディングできるのが強みだ。テレビは、年齢層を絞ってターゲティング広告を行うことは難しいが、Facebookは実名制を採っているので、それができる。他のデジタルメディアでリーチできる平均精度は約62%だが、Facebookはそれが95%と突出しており、高いターゲティング精度を誇っている。そのため、人ベースで見込み客にトライアルできるのが特徴だ」(鈴木氏)

ターゲティング精度(ニールセン調べ)

また、同氏は、モバイルから実店舗への誘導というO2Oの部分も、今後Facebookが力を入れていく部分だと説明した。

鈴木氏はその理由として、Facebookが心理的にオープンな状態な時や移動時に利用されている点を挙げた。

心理的にオープンな状態とは、手持ち無沙汰なとき、リラックスしているときなどに利用されることが多く、情報に対してオープンであり、心理的に受け入れやすい面があるためだという。

Facebook利用時の購買行動喚起のカギ

そして同氏は「Facebookは発見されやすいメディアだ」とアピールした。

また、移動時に利用されることが多いため、店舗での購買行動の直前にアプローチ可能な点も強みだという。

これらを踏まえ、鈴木氏は「Facebookはブランディングと売り上げアップの2つで効果を出せるメディアだ」と語った。

そして最後に同氏は、スマホ向けの動画広告を作成する場合のポイントとして、音を出さずに見る人が多いので「無音を前提に作成すること」、結論を後回しすると離脱してしまうユーザーが多いので、「結論を最初にもってくること」、スマホに合わせ動画の縦横比率を正方形あるいは縦長にすること」の3つを挙げた。