富士通とエルピーアイジャパン(LPI-Japan)は3月31日、業務システムにおいて採用が進んでいるオープンソースソフトウェア(OSS)のデータベースの1つである「PostgreSQL」の技術者育成に向けてパートナーシップを締結したと発表した。

LPI-Japanは、OSS/LinuxなどIT技術者の技術力の認定制度を中立公正な立場で運営するNPO法人。富士通はLPI-Japanと連携し、富士通のミドルウェア関連の技術者認定制度「富士通ミドルウェアマスター」の資格試験の一部に、基準のRDBMS(Relational Database Management System:リレーショナルデータベースを管理するためのソフトウェアの総称)としてPostgreSQLを採用しているLPI-Japanの「OSS-DB技術者認定試験 Silver(OSS-DB Exam Silver)」を取り入れ、4月1日より試験の申し込みを開始する。

富士通ミドルウェアマスターは、富士通のミドルウェア製品を扱う技術者を対象にさまざまな試験を実施することで、その合格者に対し富士通が資格を認定する制度で、「データベース」「アプリケーション基盤」「運用管理」「セキュリティ」「クラウド」「モバイル」「セールス」の7分野の資格を有する。

一方、LPI-Japan のOSS-DB技術者認定試験はPostgreSQLの基本的な設計・開発・導入・運用ができる技術者を認定する「OSS-DB Exam Silver」、「PostgreSQL」を用いた大規模なデータベースシステムの改善・運用管理・コンサルティングが可能な技術者を認定する「OSS-DB Exam Gold」の2種類の試験がある。

今回、富士通ミドルウェアマスターのデータベースの資格試験にLPI-JapanのOSS-DB Exam Silverを採用し、「FUJITSU Certified Middleware Professional データベース Standard」(資格取得条件:「OSS-DB Exam Silver」の合格、認定者:「PostgreSQL」を基にシステムの設計・開発・導入・運用が可能な技術者)、「FUJITSU Certified Middleware Professional データベース Enterprise」(資格取得条件:「OSS-DB Exam Silver」の合格+富士通のe-learning受講、認定者:「PostgreSQL」に富士通の技術を組み込み設計・開発・導入・運用ができる技術者)の資格を新設する。

「富士通ミドルウェアマスター」の「Professional データベース」体系図

この連携により、OSS-DB Exam Silverに合格することで富士通ミドルウェアマスターの1つとしてPostgreSQLの導入・運用が可能な技術者を認定する新しい資格「FUJITSU Certified Middleware Professional データベース Standard」とLPI-JapanのOSS-DB Silverの2つの資格を同時に取得することが可能になるという。

今後、富士通は、今回の連携を通じてPostgreSQL技術者の育成を強化し、グループ全体で2018年3月末までにOSS-DB Exam Silverの合格者が1000人規模への増加を増加を見込んでいる。