オリンパスは、IR(赤外光)観察に対応した外科手術用内視鏡システム「VISERA ELITE II(ビセラ・エリート・ツー)」を3月末から日本や欧州、アジア一部地域で発売する。
同システムは、術後の痛み軽減や早期回復などの効果が期待でき、患者の負担が少ない低侵襲治療として知られている内視鏡外科手術用機器で、現在医療現場で研究が進んでいるIR(赤外光)観察に対応した製品。通常光観察で使用するビデオシステムセンター(OTV-S300)やカメラヘッド(CH-S200-XZ-EB)、モニターに、IR観察対応の光源装置と腹腔・胸腔鏡を追加することで、IR観察が可能になる。手元(カメラヘッド)のボタンを押すことで、通常光から赤外光画像へワンタッチで切り替えることができるということだ。
また、現行製品である「VISERA ELITE」では、ビデオシステムセンターと光源装置を用意し、それらに腹腔鏡・胸腔鏡を接続して使用していたが、同システムは、ビデオシステムセンターに光源機能(通常光)を含む一体型設計なので、現行品と比べて大きさ、重さの約3割減を実現。数多くの医療機器を扱う医療機関での省スペース化と、医療機器の院内移動時の負担軽減を図ることができる。さらに、カメラヘッドも現行製品と比べて大幅な小型・軽量化を実現し、現行製品より重さが約37%減の220gとなり、医師による片手操作時の使い勝手が向上した。
そのほか、現行製品では光源にキセノンランプを使用していたが、同システムに含まれるビデオシステムセンター「OTV-S300」では、LED 光源を採用。ランプの長寿命化により、ランニングコスト低減が期待できる。また、直感的な操作が可能なタッチパネルの採用により、医療従事者にとっての使い勝手向上をサポートするということだ。