KDDI総合研究所は3月27日、情報通信研究機構(NICT)の委託研究「Web媒介型攻撃対策技術の実用化に向けた研究開発」(WarpDrive)を本格始動し、攻殻機動隊「REALIZE PROJECT」と連携して「電脳空間におけるタチコマ・リアライズ」に取り組むと発表した。
同プロジェクトについては、3月25日にアニメジャパン主催の「AnimeJapan 2017」でコンセプトを発表、今後はポータルサイトから情報発信をしていく。
士郎正宗氏原作のコミック・アニメーション『攻殻機動隊』では、電脳空間におけるサイバーセキュリティが物語の重要な因子となっている。この攻殻機動隊において主人公たちをサポートする人工知能キャラクター「タチコマ」を、現代の電脳空間であるインターネットで実現し、サイバーセキュリティの向上につなげることが「電脳空間におけるタチコマ・リアライズ」の核となるコンセプトとなる。
WarpDriveプロジェクトでは、Web媒介型攻撃対策用ソフトウェア「タチコマ・セキュリティ・エージェント(以下、タチコマ)」を開発し、2017年度中にPC向けに無償配布・実証実験を開始する予定。
タチコマSAはWeb媒介型攻撃を検知して防壁展開(悪性Webサイトへのアクセスをブロック)し、個々のPCに適した警告やアドバイスを行う。また、大規模に分散したタチコマSAたちが並列化(情報集約・横断分析・新機能展開等)を繰り返し、最新のサイバー攻撃に対処できるように成長していくという。
さらに、WarpDriveプロジェクトでは、2020年をめどにタチコマSAの保護対象をスマートフォンやIoT機器へと拡大し、ユーザーの日常のさまざまな局面で、サイバーセキュリティの向上をサポートするサービス・製品の実現を目指す。