Motherboardに3月22日(米国時間)に掲載された記事「Why American Farmers Are Hacking Their Tractors With Ukrainian Firmware - Motherboard」が、米国において購入したトラクターのソフトウェアを書き換えて利用する傾向が増加していると伝えた。購買契約上こうした行為は違反対象となるが、実際問題としてこうした対応を取らざるを得ない状況があると指摘している。

トラクターメーカーはさまざまな理由から正規ベンダーによる修理のみを許可しており、正規ベンダー以外は修理できない仕組みにしているという。しかし、作業中にトラクターに何らかの問題が発生した時に正規ベンダーの修理を待っているほど現場には時間に余裕がないなど、さまざまな状況からソフトウェアを自前で書き換えて正規ベンダー以外での修理などができるように変更していると説明がある。

こうした事例は現在の技術や商業構造に法律が対応しきれていない状況の一端を示していると言える。農家は購入したトラクターを自由に利用できることを期待しているが、トラクターメーカーは修理も含めてすべて自社で対応したいと考える。

こうした場合、修理対象を特定の正規ベンダーに絞ることを法的にどうとらえるか、技術的な側面も加味して検討していく必要がある。現在のビジネスはコンピュータが欠かすことのできない技術になってきており、似たような問題は今後さまざまなシーンで発生する可能性がある。