タカラバイオは3月23日、遺伝子治療用ウイルスベクターの製造、細胞加工受託を行ってきた滋賀県の遺伝子・細胞プロセッシングセンター内に、新たにウイルスベクター製造施設を増設することを決定したことをはっぴょうした。また併せて、独自のウイルスベクター大量生産技術の開発にも成功したことも発表した。
ウイルスベクターは、遺伝子治療の臨床開発に活用されているが、国内で遺伝子治療用ウイルスベクターを安定的に供給できる施設は限られていた。今回の製造施設増強は、そうした需要の増加に対応することを目的としたもので、これによりウイルスベクターの生産能力は従来比で約3割ほど増強されたという。
一方のウイルスベクターの大量生産技術として、新たにウイルス生産細胞の浮遊培養化と無血清培養化を確立し、ウイルスベクター製造のさらなるラージスケール化をも実現したとのことで、これらにより、遺伝子治療で汎用される各種ウイルスベクターの製造機能の強化を実現したと同社では説明している。
なお同社では、今回の遺伝子治療用ウイルスベクターの製造施設の増強ならびに製造技術開発を活用する形で、再生医療等製品の開発・製造受託支援事業であるCDMO事業の拡大を目指すとしている。