東芝は3月21日、台湾中央気象局が台南市七股区に設置予定の気象レーダについて、主契約者であるスペインGECI GROUP、台湾High Boundと3社共同で受注したことを発表した。
今回受注したレーダは、気象観測目的としては世界最大級となる直径8m超のアンテナを有するS帯固体化二重偏波気象レーダで、半径約400kmの降雨の観測を可能とする。また、二重偏波方式は、水平方向から雨粒を観測する従来の単偏波方式に加え、垂直方向からも雨粒を観測することで、降雨強度の観測精度を向上させることが可能となるほか、固体化気象レーダの採用により、電子管の定期交換が不要となり、ランニングコストの低減も可能としたとする。
なお、同設備は2019年に稼働する予定で、同社では今回の台湾での設置を皮切りに、台風や豪雨の高精度な観測を可能とする固体化二重偏波気象レーダの販売を世界に拡大することで、早期の避難警告などにつながる高精度で信頼性のある気象情報の提供を実現し、豪雨被害の低減に寄与していきたいとコメントしている。