英ARMは3月21日、次世代Cortex-Aプロセッサのベースとなる新技術「ARM DynamIQ」を発表した。
同技術は、専用のプロセッサ命令と最適化されたライブラリにより、今後3~5年の人工知能(AI)関連アプリケーションで50倍の性能を実現することを目指したもので、従来のbig.LITTLEについても同社では、適切なタスクに適切なプロセッサのアプローチを引き継ぎつつ、これまで単一の演算クラスタ上では組合せ不可だったbig(高性能)とLITTLE(低消費電力)の構成が可能となるとしており、単一クラスタ上に最大8コアの構成を採用することが可能となるほか、メモリサブシステムの設計も見直したことで、データアクセスの高速化と省電力機能の両立を実現したとする。
また、密結合されたオンチップハードウェアにより10倍の通信速度を実現し、AIやマシンラーニングにおける処理を高速化することが可能となるほか、個々のプロセッサに関して独立して周波数を制御することが可能となるため、適切なプロセッサへタスクマッチングすることで、電力効率の向上を図ることも可能になるとする。
さらに、車載やネットワーキング、サーバといった用途に最適化された、ARM Cortex-Aマルチコア処理の提供により、ADASソリューションでの応答性を向上できるため、パートナー各社はASIL-D準拠のシステムを開発し、障害状況下でも安全なオペレーションを実行することが可能になるとしている。