ダッソー・システムズは17日、土木向けCIMソリューションの最新版「シビル・デザイン・フォー・ファブリケーション」の国内受注を開始すると発表した。受注開始は3月21日から。
「シビル・デザイン・フォー・ファブリケーション」は、建築・建設業向けのインダストリー・ソリューション・エクスペリエンス。中国の土木エンジニアリング大手の上海市政工程設計研究総院(集団)有限公司(SMEDI)とダッソー・システムズの共同開発センターで開発されたものだ。
同ソリューションでは、シビル・エンジニアが設計・施工を包括的に扱う環境を提供し、100キロメートル四方の広大なエリアを扱うことができる。ジオロケーション、地形データ、3Dのナレッジ テンプレート、自動レイアウト、データ・インポート、解析などの各機能を実装し、建築・建設業界の標準データ形式であるIFC(Industry Foundation Classes) やOmniClassなどに完全準拠したデータを迅速に生成可能という。
同ソリューションは、ダッソー・システムズの「3DEXPERIENCE」プラットフォーム上で提供される。また、このソリューションにより、シビル・エンジニアやインフラ整備の専門家は、道路、橋梁、トンネル、鉄道、高速道路、ダムなどの建設を、より協調的で生産的なアプローチで進め、プロジェクトの品質と精度を高めることが可能になるという。
具体的には、構想設計のモデルをファブリケーションと連携し、コスト、数量、仕様、スケジューリングとの統合やカスタマイズ可能なナレッジ テンプレートを活用した自動設計による無駄と手戻りの削減、土木(シビル・エンジニアリング)のための単一プラットフォームとして、顧客と関係者の専門知識を統合したマスターデータへのアクセスと利用が可能になることで生産性が向上。設計者、エンジニア、ファブリケーター、施工者、施主などの関係者を繋ぐツールによって、コラボレーションを強化。複数のユーザーが設計モデルやプロジェクト・データへリアルタイムでアクセスでき、スムーズな設計変更を実現する。
日本ではインフラ整備が先行している一方、災害復興、オリンピック関連建設、老朽化インフラの改修という課題が発生している。同ソリューションは多様なフローを包括可能であることから、連携不備による工期遅延、計画の不整合、コストオーバーランといった問題への解消策としても期待される。
なお、ダッソー・システムズの建築・建設業界担当バイス・プレジデント、マーティ・ドッシャーは、「シビル・デザイン・フォー・ファブリケーションは、設計、エンジニアリング、ファブリケーター、施工、施主など、関係者間のコラボレーションや、ナレッジテンプレート、カタログ、リアルタイム・レポーティング機能により、インフラ整備のプロジェクトに新たなレベルの精度をもたらします。SMEDI社との長期間にわたるパートナーシップで、将来のインフラ・ニーズに対応可能な、設計から施工までを対象とする包括的ソリューションの提供できるようになりました」とコメントした。