ロームは3月16日、分電盤や家電、給湯器などで地震発生時に正確に揺れを検知し、機能を安全に停止させる地震検知機能(感震ブレーカー)向けに、3軸加速度センサで計測した地震波で地震レベルを判断することで、地震と人為振動を区別できる小型・高精度感震センサモジュール「BW9577」を開発したと発表した。
今回、同社は、気象庁から出される計測震度と相関性が高いSI値に着目した独自のアルゴリズムを開発。実測した加振データの解析を通じ、加速度データのデジタル信号処理、計算パラメータ、計算シーケンスの最適化を行うことで、従来の機械式センサに比べ、高精度な地震検知を実現することに成功したという。また、掃除などといった人の日常生活に起因する人為振動が誤検知の要因として知られていることから、そうした人為振動の各振動波形の分析により開発した誤検知防止機能を搭載。これにより、地震波形と人為振動波形を区別することが可能となり、地震発生時に的確な信号を出力し、ブレーカーやコンセントなどの適切な制御・遮断を実現することを可能とするとしている。
さらに、同製品は、同社グループ会社であるKionix製MEMS 3軸加速度センサおよびセンサ制御に特化したラピスセミコンダクタ製CMOS 32bitマイコンを採用し、最適設計を行ったことで、9.3mm×9.8mm×2.1mmサイズの小型モジュール形状を実現しており、各種アプリケーションに同機能を搭載する際の設計負荷の軽減などを可能としたとする。
なお、同製品は、8月からサンプル出荷を開始し、12月より量産を開始する予定だという。