ON Semiconductorは3月14日(独時間)、同社のハードウェアとソフトウェアの要素を組み合わせたIoT開発キット(IoT Development Kit:IDK)を進化させることで、高度に差別化したIoTシステムを短時間で、評価、開発し、市場投入できるようにしたこと、ならびに、柔軟性を向上させたことにより、環境モニタ、ヘルスケア、ホーム/ビル・オートメーション、産業用制御システム、ウェアラブル機器などの幅広い業界に対応できるようにしたことを発表した。

同IDKのベースボードは、32ビットARM Cortex-M3コアを搭載した同社の最新世代SoC「NCS36510」とARM mbed OSを中心に、Wi-Fi機能を有するIDKベースボードに異なるドータボードを接続することで、低消費電力の無線機で利用できるさまざまなコネクティビティプロトコル(SIGFOX、Thread、 EnOcean、Wireless Mbus、 BluetoothR Low Energy、 ZigBee、PoE、 CANなど)、センサ(心拍数モニタ、生物学的センサインタフェースのほか、温度、湿度、周辺光、近接、圧力など)、アクチュエータ(ステッパおよびブラシレスモータ駆動、LEDストリング駆動を含む)をシステムに追加することが可能となる。また、暗号化や安全なデバッグ、安全な起動、認証などセキュリティ対策を実施するための複数の機能も含まれているという。

さらに、ソフトウェア面でも補完されており、C++コンパイラ、デバッガ、およびコードエディタを含めたEclipseベースの統合開発環境(IDE)が提供されるほか、最初のコンセプトの段階から全面的な展開にいたるまで、IoT設計のプロセスを容易にする包括的なアプリケーション例、使用例、関連ライブラリ一式も含まれている。このほか、初期設定のクラウド・ソフトウェア・プラットフォームに加え、業界標準のクラウド接続プロトコル (MQTTおよびREST)もサポートしているため、他の幅広いIoTサービスプロバイダを活用することも可能となっている。

なお、同社によると、現在入手可能なドータボードは、SIGFOX、PoE、CANのコネクティビティ、モーション、周辺光、タッチパッドのセンシング、ステッパモータ、BLDCモータ、デュアルLEDドライバのアクヂュエーションとなっているほか、EnOcean、Thread、Wireless Mbusのサポートは2017年第2四半期、BLE(Bluetooth Low Energy)は同第3四半期の販売を、温度、湿度、近接、圧力のセンシングデバイスも第2四半期の販売をそれぞれ予定しているという。

ON SemiconductorのIoT開発キット(IoT Development Kit:IDK)イメージ