インターネットイニシアティブ(IIJ)は3月13日、同社サービスだけでなく、他社が提供するクラウドサービスとオンプレミスのシステムを統合的に管理できる、SaaS型の運用管理サービス「IIJ統合運用管理サービス」を4月1日から提供すると発表した。
このサービスは、複数のクラウドサービスとオンプレミスの情報を統合管理ポータル上で管理できるというもの。また、問い合わせのサポートの窓口も1本化できる。
4月1日の時点で対応するクラウドサービスは、同社提供のIIJ GIOとMicrosoft Azureだが、来年度にはAWSに対応し、今後順次、他のサービスにも対応するという。当面はIaaSサービスが中心だが、Office 365などのSaaSサービスにも拡大する予定。
IIJ 執行役員 クラウド本部長 立久井正和氏は、「IIJ統合運用管理サービス」を提供する背景について、「マルチクラウドの課題は、それぞれがサイロ化していることだ。そのため、異なる管理のやり方を覚え、専任の担当者を配置しなければならず、属人化し、コストも高くなっている。今回提供する統合運用管理サービスの目的は、これらの課題を解決し、アジリティを高めていくことだ」と語った。
IIJ サービス基盤本部 M&O サービス開発課長 福原亮氏は、「IIJ統合運用管理サービス」では、「マルチクラウドの一元管理」、「自動化による運用効率化」、「見えない変化&異常への対応」という3つのメリットがあると説明する。
「マルチクラウドの一元管理」では、APIの異なる複数のクラウドサービスから構成やリソース情報を自動取得し、管理ポータルで、アカウントID&サポートおよび監視アラート&イベント情報の一元化を行う。
「自動化による運用効率化」では、同社が年間1,000万件以上のアラートを自動処理している実績を活かし、膨大なアラートの中から対応が必要なアラートを分類するフィルタリング機能を提供するほか、過去の対応履歴(ナレッジ)を活用して、復旧手段をナビゲートする。
同社では、自動化により監視対象ノードを5倍にでき、運用コストを80%削減できるほか、アラートフィルタリング機能や復旧手段をナビゲートすることにより、対応スピードを2倍にできるとしている。
「見えない変化&異常への対応」では、あるしきい値を超えた場合にアラートを出すという運用ではなく、過去の傾向から常に適切なしきい値を自動で設定し、推移を予測し、余裕をもった通知を実施するという。
同社はこれらの機能によりマルチクラウド運用の自動運転を行うとしている。