大日本印刷(DNP)は3月7日~10日に東京ビッグサイトで開催中の「リテールテックJAPAN」で、次世代カートを示し、同社が考える「店舗での未来のお買いもの」を発表した。
同社が発表したのは、カートに電子透かし(Digimarc Barcode)、RFID(UHF帯ICタグ)、ロボットを組み合わせたもの。
カートと電子透かしの組み合わせでは、まず、会員カードの情報を読み込むことで顧客属性を認識し、その後、商品のパッケージに印刷された電子透かしをカメラで読み取ることで、価格や商品情報を画面に表示し、最終的にクレジットカードで決済するまでの動作をデモしていた。商品情報では、アレルゲン情報も表示していた。
電子透かしは、商品パッケージ全体に埋め込むことで、パッケージのデザインを損なうことなく、レジでの精算時のバーコードの読み取り作業の時間を軽減する。
また、顧客の好みに応じたレコメンドや、位置情報(ビーコン)と連動したキャンペーンをプッシュ通知でお知らせする様子もデモされた。これにより、One to Oneマーケティングを実現する。
RFIDのシステムでは、カートに商品を入れるだけで、各商品のRFIDを読みとり、自動的に買い物金額が加算されていく様子をデモしていた。
ロボットの組み合わせでは、ワインをロボットのカメラで読み込むと、その商品に合うオススメの料理が画面に表示されるというデモを実施。ロボットはRFIDや電子透かしを読み込むことなく、形や色でどの商品であるかを判断する。同社ではコンシェルジュ用途を想定している。
RFID連動ミラー型サイネージ
DNPのブースでは、RFID連動ミラー型サイネージも展示。この製品では、RFID付の商品を鏡の前でかざすと商品情報やオススメのコーディネート、ECサイトの口コミ情報などを表示する。待ち受け時はデジタルサイネージとして利用できるという。
また、ピックアップ情報やPOSと連動し、商品を手に取ったが購入にはいたらなかった商品など、顧客の行動分析にも利用できるという。
NECがウォークスルー顔認証を参考出展
リテールテックでNECは、同社の強みである顔認証技術を活かし、ウォークスルー顔認証システムを参考出展していた。これは、事前に登録した顔画像と入り口に設置した顔認証専用端末で認識した画像を照合することで本人確認を行うもの。お得意様が来店したとき、新人であっても「○○様 いらっしゃいませ」といった具合に出迎えることができ、顧客サービス向上に役立てることができるという。
また、NECのブースでは、監視カメラの映像をもとに、店舗内での顧客の性別・年齢、顧客の行動パターンやヒートマップが把握できるシステムを展示していた。すでに、設置している監視カメラの映像をそのまま利用できる点がメリットだという。映像は同社のクラウドで夜間バッチで処理され、翌日の朝、確認できる。
シンクライアントを利用した自動販売機
アイティアクセスは、自動販売機用シンクライアント型マルチ電子マネー決済ユニットを展示。今夏サービス開始予定だという。
通常、Felica対応自販機は、端末内にユーザー情報が残るため、セキュリティ対策で費用がかかるが、このユニットは、都度クラウドに情報をアップし、ユニット内にデータを残さないため、セキュリティ上安全な点と、コストが通常の1/3程度で済むメリットがあるという。