独Vector Informatikの日本法人であるベクター・ジャパンは、診断通信仕様書を作成するためのツール「CANdelaStudio」のバージョン8.5 SP2にて、車両ECUの診断用ベーシックソフトウェア(BSW)のコンフィギュレーション用にAUTOSARに準拠したフォーマットを扱う機能を追加したと発表した。

AUTOSAR DEXTはAUTOSAR System Descriptionの新たな拡張機能の1つで、これを用いることで、AUTOSAR ECUがサポートするUnified Diagnostic Services(UDS)を記述できるようになる。CANdelaStudio 8.5 SP2では、このAUTOSAR DEXTを生成するためのエクスポート機能を装備。エクスポートファイルは、AUTOSAR 4.2で採用された「Diagnostic Extract Template」に対応するため、自動車メーカーやECUサプライヤの診断開発チームは、ボタンを一押しするだけでAUTOSAR Diagnostic Extract(DEXT)ファイルを生成できるようになり、AUTOSARベーシックソフトウェアの診断関連コンポーネントをより速く、より簡単に設定できるようになると同社では説明している。

なお、同社では、同ソフトのコンフィギュレーションに最適な製品として、「DaVinci Configurator Pro」を用意しており、これによりCANdelaStudioから生成されたDEXTファイルを読み取ることで、ベーシックソフトウェアに含まれる診断関連のAUTOSARコンポーネントを自動設定することが可能になるとしている。

自動車およびECUメーカーがAUTOSARに準拠した診断設定をボタン1つで生成するイメージ