NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションは3月1日、EC業界を対象に、顧客ロイヤルティを図る指標「NPS」の業界ベンチマーク調査を実施し、その結果を発表した。これによると、最もNPSの高いECサイトはAmazon.co.jpとなった。

NPSとは、「友人や同僚に薦めたいか?」という質問への回答から算出される、顧客ロイヤルティを図る指標。欧米では公開企業の3分の1がNPSを使用しているといわれ、日本においてもその活用が増えつつあるという。

今回の調査は、NTTコム リサーチ登録モニターのうち、過去1年以内に1回以上ECサイトを利用した人で20代~60代以上までの男女1961名を対象とし、非公開型インターネットアンケートを用いて2016年9月29日(木)~2016年10月4日(火)の間に実施されたものとなる。

これによると、EC業界8社のうち、NPSのトップはAmazon.co.jpで-9.2ポイント。最下位の企業との差は37.2ポイントとなっており、8社の平均は-27.9ポイントとなった。

全体の23.0%の回答者が推奨度として「5(どちらともいえない)」を選択しており全体平均では最多となったが、1位のAmazon.co.jpを含めた上位企業では「7」や「8」を選択している回答者が多い傾向が見られ、顧客ロイヤルティの高さが見てとれた。

また、ECサイトを「モール型ECサイト(出店型・出品型)」と、自社のブランドのみ取り扱う「自社型ECサイト」、グループに関連した複数企業の商品を取り扱う「グループ横断型ECサイト」に分けて分析。NPS平均は「モール型ECサイト(出店型・出品型)」が-25.8ポイント、「自社型ECサイト」が-24.0ポイント、「グループ横断型ECサイト」が-36.2ポイントとなった。

要因別にみると、自社型ECサイトは「価格競争力(他のサイトよりも安い)」の満足度が他業態に比べて大幅に高く、同時に、「サービスの信頼性」や「支払いの安全性」など信頼感も評価される結果に。「モール型ECサイト(出店型・出品型)」は「品揃えの豊富さ」「利用者によるレビューや評価」で満足度が高くなっており、商品構成の充実やレビューの豊富さが評価されている。また、「グループ横断型ECサイト」では、「ポイントがたまりやすい、使いやすい」の評価が高く、ポイント施策への満足度が高いことがわかった。