島津製作所は2月22日、同社のX線TVシステム「SONIALVISION G4(ソニアルビジョン ジーフォー)」向けに、内視鏡による胆管および膵管の検査・治療を行うERCP(内視鏡的逆行性胆管膵管造影)時のX線照射量を低減できる画像処理技術「SUREengine FAST(シュアエンジン ファスト)」を開発したと発表した。
ERCPは、口から十二指腸まで内視鏡を挿入し、その先に付いた細いチューブ(カテーテル)から胆道系、膵管を直接造影する手法だが、カテーテルの位置や造影状態などを確認するためにX線TVシステムの透視機能が用いられ、検査が長時間にわたる場合などにおける被検者や医療従事者への被ばく量の低減が求められていた。
今回開発された同技術は、高速な演算処理によって低線量でもノイズや残像を低減するデジタルフィルタ処理技術であり、内視鏡検査に必要なX線画質とリアルタイム性を維持しながらX線量を低減することが可能になるという。具体的には、SONIALVISION G4で従来の内視鏡検査時に使用されていた透視X線の照射パルスレート(15fps)での比較では、同技術を用いることで、画質やリアルタイム性を維持したまま透視被ばく量を約60%低減できることを確認したほか、同技術を導入した上でパルスレートを7.5fpsに落とした場合では、従来の15fps時と比較して透視被ばく量を約80%低減できるようになるという。
なお、同社では、同技術について、今後販売するSONIALVISION G4に標準搭載する予定としている。